板橋区の中古マンション、町名別に見た㎡単価と成約価格の差
公開日: 2026-08-20
板橋区で中古マンションの売却を考えるとき、「板橋区の相場」というひとつの数字で自分の物件を測るのは難しいものです。同じ区内でも町名によって取引の水準は大きく変わります。この記事では、国土交通省「不動産情報ライブラリ」の取引価格情報をもとに、2025年第1四半期から2026年第1四半期までの板橋区の中古マンション等の成約データを町名別に集計した表を読み解きます。㎡単価の中央値と成約価格の中央値という2つの数字を並べて見ることで、自分の物件がどのあたりに位置するのか、次に何を調べればよいのかを整理していきます。
データ:板橋区の中古マンションを地区(町名)で見る
対象は板橋区内の中古マンション等の取引で、2025年第1四半期から2026年第1四半期までの合計1,953件です。町名ごとに件数、㎡単価(成約価格÷専有面積)の中央値、成約価格の中央値を並べました。件数が少ない区分は除外しているため、表に載っているのは38地区です。
| 地区(町名) | 取引件数 | ㎡単価の中央値 | 成約価格の中央値 |
|---|---|---|---|
| 高島平 | 157 | 500,000円/㎡ | 2,000万円 |
| 成増 | 144 | 818,804円/㎡ | 4,950万円 |
| 板橋 | 135 | 980,000円/㎡ | 3,400万円 |
| 小豆沢 | 113 | 800,000円/㎡ | 4,000万円 |
| 坂下 | 108 | 770,000円/㎡ | 2,750万円 |
| 前野町 | 97 | 706,667円/㎡ | 4,300万円 |
| 徳丸 | 96 | 690,598円/㎡ | 4,050万円 |
| 小茂根 | 80 | 823,077円/㎡ | 4,550万円 |
| 中台 | 80 | 484,510円/㎡ | 3,250万円 |
| 志村 | 58 | 807,692円/㎡ | 3,250万円 |
| 加賀 | 58 | 1,127,922円/㎡ | 8,700万円 |
| 蓮根 | 58 | 644,958円/㎡ | 3,700万円 |
| 南常盤台 | 57 | 960,000円/㎡ | 2,800万円 |
| 熊野町 | 47 | 840,000円/㎡ | 3,300万円 |
| 上板橋 | 46 | 636,364円/㎡ | 2,700万円 |
| 中丸町 | 45 | 880,000円/㎡ | 4,000万円 |
| 舟渡 | 44 | 783,766円/㎡ | 4,650万円 |
| 若木 | 43 | 500,000円/㎡ | 2,200万円 |
| 仲宿 | 41 | 933,333円/㎡ | 4,700万円 |
| 大山東町 | 41 | 1,000,000円/㎡ | 3,200万円 |
| 赤塚 | 39 | 769,231円/㎡ | 3,200万円 |
| 大山町 | 38 | 1,141,666円/㎡ | 6,400万円 |
| 本町 | 36 | 1,040,476円/㎡ | 3,250万円 |
| 大和町 | 33 | 660,000円/㎡ | 2,400万円 |
| 大原町 | 32 | 873,856円/㎡ | 2,400万円 |
| 蓮沼町 | 31 | 914,286円/㎡ | 3,500万円 |
| 大山金井町 | 31 | 920,000円/㎡ | 2,700万円 |
| 常盤台 | 31 | 876,923円/㎡ | 2,800万円 |
| 南町 | 30 | 925,000円/㎡ | 3,650万円 |
| 東新町 | 29 | 750,000円/㎡ | 2,400万円 |
| 赤塚新町 | 29 | 533,333円/㎡ | 3,800万円 |
| 相生町 | 28 | 724,706円/㎡ | 5,400万円 |
| 氷川町 | 28 | 885,714円/㎡ | 2,750万円 |
| 東坂下 | 27 | 472,727円/㎡ | 2,800万円 |
| 宮本町 | 26 | 902,272円/㎡ | 2,550万円 |
| 大谷口北町 | 24 | 672,916円/㎡ | 3,200万円 |
| 大山西町 | 23 | 963,636円/㎡ | 5,300万円 |
| 清水町 | 23 | 1,071,429円/㎡ | 6,500万円 |
- ㎡単価の中央値がもっとも高いのは大山町の1,155,000円/㎡、次いで加賀の1,130,952円/㎡、清水町の1,071,429円/㎡です。一方でもっとも低いのは東坂下の472,727円/㎡、中台の477,540円/㎡、高島平の490,909円/㎡でした。上位と下位では約2.4倍の開きがあり、「板橋区の平均」ひとつで自分の物件を測るのが難しいことが数字に表れています。
- ㎡単価と成約価格の順位は一致しません。板橋は㎡単価970,330円/㎡と区内でも高い水準ですが、成約価格の中央値は3,450万円です。逆に成増は㎡単価813,333円/㎡ながら成約価格の中央値は4,800万円。取引されている住戸の広さが地区ごとに違うため、単価が高くても総額は中位、という組み合わせが生まれます。
- 成約価格の中央値がもっとも高いのは加賀の8,700万円で、大山町6,950万円、清水町6,500万円が続きます。もっとも低いのは高島平の2,000万円、若木の2,200万円で、加賀と高島平では4倍を超える差があります。
- 件数の多い地区は成増140件、高島平137件、板橋126件、小豆沢104件です。件数が多い地区は近い条件の取引事例を集めやすく、査定の根拠を確かめやすい環境にあると言えます。逆に20件台の地区では、1件ごとの条件差が中央値に与える影響が相対的に大きくなります。
※ 板橋区の「中古マンション等」のうち、地区(町名)が記録されている取引2,086件の集計です。中央値は価格順に並べたときの中央の値で、平均とは違い極端な取引に引っ張られません。件数が20件未満の区分は、数字が安定しないため表に出していません。
対象期間: 2025年 第1四半期〜2026年 第1四半期/集計対象 2,086件。 中央値は、条件に当てはまる取引を価格順に並べたときのちょうど中央の値です。 個別の物件の価格ではなく、確定的な査定額でもありません。
出典: 国土交通省「不動産情報ライブラリ」不動産価格(取引価格情報)(当サイトが条件で絞り込み集計。加工方法は本文に明記)
まず㎡単価で自分の物件の位置を確かめる
売却を考えるとき最初に見るべきは、成約価格ではなく㎡単価の中央値です。中央値とは価格順に並べたときの真ん中の値で、極端に高い取引や安い取引に引っ張られにくい性質があります。成約価格そのものは住戸の広さで大きく変わってしまうため、地区間を比べるには単価のほうが扱いやすいのです。
表を㎡単価で並べ替えると、100万円/㎡を超えるのは大山町(1,155,000円/㎡)、加賀(1,130,952円/㎡)、清水町(1,071,429円/㎡)、本町(1,014,286円/㎡)の4地区です。90万円台には板橋、南常盤台、大山東町、大山西町、仲宿、大山金井町が並びます。一方、50万円/㎡を下回るのは東坂下(472,727円/㎡)、中台(477,540円/㎡)、高島平(490,909円/㎡)で、上位との差は2倍を超えます。
自分の物件の専有面積が分かっているなら、該当する町名の㎡単価の中央値を掛けてみると、その地区の真ん中あたりの水準がつかめます。ただしこれは中央値なので、同じ町名の中でも築年、階数、向き、駅からの距離、管理状態によって上下します。あくまで出発点の目安として使ってください。
㎡単価と成約価格がずれる地区に注目する
表を眺めると、㎡単価と成約価格の順位が一致しない地区がいくつもあります。分かりやすいのが板橋と成増の比較です。板橋は㎡単価970,330円/㎡で区内上位ですが、成約価格の中央値は3,450万円。成増は㎡単価813,333円/㎡と板橋より低いのに、成約価格の中央値は4,800万円と1,350万円高くなっています。
逆方向のずれもあります。南常盤台は㎡単価955,000円/㎡と高い水準ですが、成約価格の中央値は2,850万円です。大山金井町(910,000円/㎡・2,650万円)、氷川町(885,714円/㎡・2,700万円)、常盤台(871,795円/㎡・2,750万円)も、単価は高めで総額は2,000万円台後半という組み合わせです。
こうしたずれは、その地区で取引されている住戸の広さの傾向が違うことを示しています。単価が高く総額が低い地区ではコンパクトな住戸の取引が中心、単価が中位でも総額が高い地区では広めの住戸が中心、という読み方ができます。売却時に自分の物件と近い条件の事例を探すなら、町名だけでなく面積帯まで揃えて確認したいところです。
- ㎡単価が高く成約価格は中位:板橋(970,330円/㎡・3,450万円)、南常盤台(955,000円/㎡・2,850万円)
- ㎡単価は中位で成約価格が高い:成増(813,333円/㎡・4,800万円)、舟渡(766,667円/㎡・4,600万円)、相生町(735,294円/㎡・5,450万円)
- ㎡単価が低めでも成約価格は中位:赤塚新町(523,077円/㎡・3,900万円)、東坂下(472,727円/㎡・2,800万円)
件数の多さは事例の集めやすさにつながる
38地区のうち件数が3桁に達しているのは成増140件、高島平137件、板橋126件、小豆沢104件の4地区です。90件台に坂下96件、徳丸91件、前野町90件が続きます。一方、大山西町22件、南町23件、清水町23件、大谷口北町23件、宮本町24件など、20件台の地区も少なくありません。
件数が多い地区では、自分の物件と築年や面積が近い取引を見つけやすくなります。査定を受けたときに提示された根拠事例が妥当かどうかを、自分でも確かめやすい環境だと言えます。反対に件数が20件台の地区では、1件ごとの条件差が中央値の位置に与える影響が相対的に大きくなります。表の数字を絶対視せず、隣接する町名や近い駅圏のデータも合わせて見るほうが安全です。
なお1,953件という合計は、この期間に板橋区内で公表された中古マンション等の取引のうち、件数が少ない区分を除外した後の数です。表に町名が載っていない地区でも取引がないわけではなく、集計対象から外れているだけの場合があります。
表を見た後に調べるとよいこと
町名別の水準がつかめたら、次は自分の物件の個別条件に目を向ける段階です。同じ町名の中でも、築年数、専有面積、階数、方角、駅からの徒歩分数、管理費・修繕積立金の水準、大規模修繕の実施状況などによって評価は変わります。とくに管理組合の状態や修繕積立金の積み立て状況は、購入検討者が重視する項目のひとつです。手元に管理規約や長期修繕計画、直近の総会議事録があるか確認しておくと、話が進んだときに落ち着いて対応できます。
税金の扱いも早めに整理しておきたい点です。居住用財産の売却や相続で取得した不動産の売却には、それぞれ適用条件のある特例が設けられている場合があります。適用できるかどうかは所有期間、居住実態、取得の経緯、他の特例との併用可否など個別の事情によって異なりますので、税理士や税務署に確認するのが確実です。
実際の査定や売却の手続きは、宅地建物取引業の免許を持つ提携の専門業者が行います。この記事でつかんだ町名別の水準は、査定額の説明を受けるときに「なぜその金額なのか」を尋ねる材料として使えます。複数の業者から話を聞き、根拠として示された事例が自分の物件と条件の近いものかどうかを確かめるとよいでしょう。
よくある質問
- Q. 表にある町名の㎡単価に自分の物件の面積を掛ければ、売れる価格が分かりますか。
- A. あくまで出発点の目安です。㎡単価の中央値はその町名で取引された住戸を価格順に並べた真ん中の値なので、同じ町名の中でも築年、階数、向き、駅からの距離、管理状態によって上下します。掛け算で出た金額は「その地区の真ん中あたりの水準」と受け取り、実際の価格は専門業者の査定と、条件の近い事例の確認を通じて詰めていくのが現実的です。
- Q. ㎡単価が高い町名なのに成約価格の中央値が低いのはなぜですか。
- A. その町名で取引されている住戸の広さの傾向が影響しています。たとえば南常盤台は㎡単価955,000円/㎡ですが成約価格の中央値は2,850万円です。単価が高くても取引の中心がコンパクトな住戸であれば、総額の中央値は低く出ます。逆に成増は㎡単価813,333円/㎡で成約価格の中央値は4,800万円と、広めの住戸が中心であることをうかがわせる組み合わせになっています。
- Q. 自分の町名が表に載っていません。どう考えればよいですか。
- A. この集計は件数が少ない区分を除外しているため、取引がなかったとは限りません。その場合は隣接する町名や、同じ駅を利用する範囲の地区の数字を参考にする方法があります。ただし駅からの距離や道路づけで水準は変わるため、複数の地区を見比べて幅としてとらえるほうが実態に近くなります。個別の判断は専門業者に事例を出してもらって確認してください。
- Q. 売却で税金の特例が使えるか知りたいのですが。
- A. 居住用財産の売却や相続した不動産の売却については、それぞれ適用条件のある特例が設けられている場合があります。ただし所有期間、居住していた実態、取得の経緯、他の制度との併用可否などによって扱いが異なり、個別の事情で結論が変わります。金額の見通しに関わる部分ですので、税理士や所轄の税務署に早めに確認することをおすすめします。
※ 本記事の数字は、国土交通省「不動産情報ライブラリ」の取引価格情報を当サイトが条件で絞り込んで集計したものです。中央値は条件に当てはまる取引を価格順に並べたときの中央の値であり、個別の物件の価格でも、確定的な査定額でもありません。当サイトは宅地建物取引業を行いません。実際の売却の手続き・査定は提携する専門業者が行います。税制・法令の適用可否は個別事情により異なりますので、税務署・税理士・司法書士等の専門家にご確認ください。
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