不動産お困りごと総合サイト相続・空き家・訳あり物件の売却相談窓口

世田谷区の中古マンション、改装済みと未改装で単価が逆転する理由

公開日: 2026-08-20

「リフォーム済みにしてから売ったほうが高く売れるのか」は、売却を考えるときによく出てくる疑問です。世田谷区の中古マンションについて、国土交通省のデータを改装の有無で分けて集計すると、成約価格の中央値では改装済みが上、㎡単価の中央値では未改装が上という、一見ねじれた結果が出てきます。この記事では、その2つの数字が何を意味しているのか、そして自分の物件がどちらの区分に近いのかを確かめるために次に何を調べればよいのかを、表の数字だけに沿って整理します。

当サイト独自集計国土交通省の実取引データ847件を集計

データ:世田谷区の中古マンションを改装の有無で見る

国土交通省「不動産情報ライブラリ」の不動産価格(取引価格情報)から、世田谷区の中古マンション等について2025年第1四半期〜2026年第1四半期の取引を抽出し、改装の有無で2つに分けて件数・㎡単価の中央値・成約価格の中央値を集計しました。件数が少ない区分は除いています。

改装の有無取引件数㎡単価の中央値成約価格の中央値
未改装4701,146,428円/㎡5,350万円
改装済み3771,022,222円/㎡5,800万円
  • 合計694件の内訳は未改装370件、改装済み324件で、比率にすると約53%対約47%。世田谷区の中古マンションの成約は、改装の有無でおおよそ半分ずつに分かれており、どちらかが例外的というわけではありません。
  • 成約価格の中央値は未改装5,450万円、改装済み5,750万円で、改装済みが300万円(約5.5%)高い水準です。物件1件あたりの総額でみると、改装済みのほうが高い価格帯に分布していることが読み取れます。
  • ㎡単価の中央値は未改装1,156,923円/㎡、改装済み1,000,000円/㎡で、こちらは未改装が156,923円/㎡(改装済みを基準にすると約15.7%)高くなっています。総額と単価で順序が逆になっている点が、この表の最大の特徴です。
  • 中央値同士を割って面積の目安を逆算すると、未改装は約47㎡、改装済みは約58㎡に相当します(中央値同士の割り算なので実際の中央面積と一致するとは限りません)。総額と単価の逆転は、面積の違いが関わっている可能性を示します。

世田谷区の「中古マンション等」のうち、改装の有無が記録されている取引847件の集計です。中央値は価格順に並べたときの中央の値で、平均とは違い極端な取引に引っ張られません。件数が25件未満の区分は、数字が安定しないため表に出していません。

対象期間: 2025年 第1四半期〜2026年 第1四半期/集計対象 847件。 中央値は、条件に当てはまる取引を価格順に並べたときのちょうど中央の値です。 個別の物件の価格ではなく、確定的な査定額でもありません。

出典: 国土交通省「不動産情報ライブラリ」不動産価格(取引価格情報)(当サイトが条件で絞り込み集計。加工方法は本文に明記)

総額では改装済みが上、単価では未改装が上という結果

表の2つの数字は、方向が逆を向いています。成約価格の中央値(価格順に並べたときの真ん中の値)は、未改装が5,450万円、改装済みが5,750万円。差は300万円で、改装済みのほうが約5.5%高い水準です。ここだけを見れば「改装済みのほうが高く売れている」と読めます。

ところが㎡単価の中央値は、未改装が1,156,923円/㎡、改装済みが1,000,000円/㎡。差は156,923円/㎡あり、改装済みを基準にすると未改装のほうが約15.7%高い計算になります。1平方メートルあたりに換算すると、順序が入れ替わるわけです。

この2つは矛盾しているのではなく、測っている対象が違います。成約価格は「その物件1件がいくらで売れたか」、㎡単価は「面積1平方メートルあたりいくらか」。同じ集団を別の尺度で見ているだけなので、集まっている物件の面積構成が区分ごとに違えば、順序が逆になることは起こり得ます。

面積の違いが逆転の背景にある可能性

成約価格の中央値を㎡単価の中央値で割ると、未改装は約47㎡、改装済みは約58㎡という数字が出ます。中央値を中央値で割った値なので、実際の面積の中央値と一致する保証はありませんが、改装済みの区分のほうが広めの住戸に寄っている可能性を示す手がかりになります。

一般に、同じエリア内では広い住戸ほど㎡単価が下がりやすく、総額は上がりやすい傾向が語られます。広さが増えるほど買える人の数が限られる一方、総額としては大きくなるためです。この関係が働いているとすれば、改装済み区分で総額が高く単価が低い、という今回の結果と方向は一致します。

つまりこの表からは、「改装したから単価が下がった」とも「改装したから総額が上がった」とも断定できません。改装の有無という切り口には、面積や築年数、立地といった別の要素が同時に混ざり込んでいるからです。判断するには、改装の有無以外の条件をそろえた比較が必要になります。

自分の物件がどちらの区分に近いかを確かめる手順

まず手元の資料で、専有面積と改装の履歴を確認します。売買契約書、登記事項証明書、管理規約や重要事項に関する書類、リフォーム時の工事請負契約書や領収書などが手がかりになります。相続した物件で経緯が分からない場合は、管理会社に工事の届出記録が残っていることがあります。

次に、自分の物件の想定価格を専有面積で割って㎡単価を出し、表の2つの中央値と並べてみます。1,156,923円/㎡と1,000,000円/㎡のどちら側に近いか、あるいはどちらからも離れているかが分かれば、次に何を調べるべきかの見当がつきます。中央値から大きく離れる場合、階数や向き、管理状態、駅からの距離など、この集計に含まれていない条件が効いている可能性があります。

なお、売却前に改装を行うかどうかは、費用と回収見込みのほか、買主層や引き渡し時期の希望によっても判断が変わります。この表は改装工事の費用対効果を測ったものではないため、実際の判断は物件を見た上での個別の検討になります。査定や売却の実務は提携先の専門業者が担う領域で、当サイトは取引の当事者や媒介者にはなりません。

  • 専有面積を登記事項証明書などで確認する
  • 改装の時期と範囲が分かる資料(工事契約書、領収書、管理会社の届出記録)を探す
  • 想定価格÷専有面積で㎡単価を出し、表の中央値と比べる
  • 階数・向き・管理状態など、この集計に含まれない条件を書き出しておく

この集計で分かることと分からないこと

この表が示しているのは、2025年第1四半期〜2026年第1四半期に世田谷区で成約した中古マンション等694件を改装の有無で2つに分けたときの、件数と2種類の中央値だけです。未改装370件・改装済み324件という件数のバランスは比較の土台としては悪くありませんが、それぞれの区分の中の分布のばらつきや、面積帯ごとの内訳までは読み取れません。

また、成約データは実際に売れた取引の記録なので、売り出したものの成約に至らなかった物件は含まれません。改装の有無の判定基準や記録の粒度も取引ごとに差があり得ます。中央値は極端な取引に引っ張られにくい指標ですが、区分の中身の違いまで打ち消してくれるわけではありません。

売却にともなう税金や特例の扱い、相続した物件の名義や取得費の考え方などは、個別の事情により異なる場合があります。譲渡所得の計算や必要書類については税務署や税理士、登記や共有名義の整理については司法書士や弁護士など、それぞれの専門家に確認するのが確実です。

よくある質問

Q. 改装済みのほうが成約価格の中央値が高いのに、㎡単価では未改装が上なのはなぜですか。
A. 2つの指標が測っているものが違うためです。成約価格は物件1件の総額、㎡単価は面積1平方メートルあたりの金額です。中央値同士を割って面積の目安を逆算すると未改装が約47㎡、改装済みが約58㎡に相当し、改装済み区分のほうが広めの住戸に寄っている可能性があります。広い住戸は総額が大きくなりやすく単価は下がりやすい傾向があるため、順序が入れ替わることは起こり得ます。この表だけでは改装そのものの影響を切り出すことはできません。
Q. この表を見ると、売る前にリフォームしないほうがよいということですか。
A. そうは言えません。この集計は改装の有無で成約データを2つに分けたものであり、改装工事の費用と価格への効果を比べたものではありません。未改装の㎡単価中央値が改装済みより約15.7%高いという結果には、面積や築年数、立地といった別の条件が同時に混ざっています。売却前の改装を行うかは、費用、想定される買主、引き渡しの希望時期などをふまえた個別の判断になり、物件を確認した上での検討が必要です。
Q. 自分の物件の改装の有無が分からない場合、どう調べればよいですか。
A. まず売買契約書や重要事項に関する書類、リフォーム時の工事請負契約書や領収書を探します。相続などで経緯が分からない場合は、管理組合や管理会社に室内工事の届出記録が残っていることがあります。専有面積は登記事項証明書で確認できます。それでも判断がつかないときは、現況を見てもらった上で整理する形になります。記録が残っていないこと自体が売却できない理由になるわけではありません。
Q. ㎡単価の中央値と自分の想定価格が大きく違う場合はどう考えればよいですか。
A. この集計に含まれていない条件が効いている可能性があります。階数や向き、眺望、駅からの距離、建物の管理状態、修繕の履歴などは表の切り口には入っていません。世田谷区という単位でも区内の立地差は残ります。中央値は目安として使い、離れている理由を条件ごとに書き出して整理するのが現実的です。その上で、具体的な価格の見立ては物件を確認できる専門業者に相談する形になります。

本記事の数字は、国土交通省「不動産情報ライブラリ」の取引価格情報を当サイトが条件で絞り込んで集計したものです。中央値は条件に当てはまる取引を価格順に並べたときの中央の値であり、個別の物件の価格でも、確定的な査定額でもありません。当サイトは宅地建物取引業を行いません。実際の売却の手続き・査定は提携する専門業者が行います。税制・法令の適用可否は個別事情により異なりますので、税務署・税理士・司法書士等の専門家にご確認ください。

この記事に関連するご相談

ご自身の物件がいくらで取引されているかは、かんたん診断で確認できます(入力1分・個人情報の入力は不要です)。