世田谷区の中古マンションを面積別に見る|㎡単価と成約価格の中央値
公開日: 2026-08-20
世田谷区で中古マンションを売ることを考えたとき、最初に知りたいのは「自分の部屋はどのくらいの水準なのか」でしょう。ただ、同じ区内でも40㎡台の単身向けと80㎡超のファミリー向けでは、価格の桁も、そもそも取引の多さも違います。この記事では、国土交通省の取引価格情報から世田谷区の中古マンション2,811件を面積別に区切った集計表を使い、㎡単価の中央値と成約価格の中央値がどう変わるかを数字に即して読み解きます。相場を当てにいくのではなく、次に何を調べればよいかを掴むための材料として使ってください。
データ:世田谷区の中古マンションを面積で見る
国土交通省「不動産情報ライブラリ」の不動産価格(取引価格情報)から、世田谷区の「中古マンション等」の取引を2025年第1四半期〜2026年第1四半期で抽出し、専有面積の区分ごとに件数・㎡単価の中央値・成約価格の中央値を集計しました。合計2,811件で、件数が少ない区分は除外しています。
| 面積 | 取引件数 | ㎡単価の中央値 | 成約価格の中央値 |
|---|---|---|---|
| 40㎡未満 | 557 | 880,000円/㎡ | 2,200万円 |
| 40〜60㎡ | 741 | 950,000円/㎡ | 4,500万円 |
| 60〜80㎡ | 1,091 | 1,166,667円/㎡ | 8,000万円 |
| 80〜100㎡ | 449 | 1,088,889円/㎡ | 9,200万円 |
| 100〜150㎡ | 145 | 1,040,000円/㎡ | 12,000万円 |
- ㎡単価の中央値が最も高いのは60〜80㎡の1,157,143円/㎡です。最も低い40㎡未満の866,667円/㎡と比べると約1.34倍、差は約29万円/㎡にあたります。面積が小さいほど単価が高い、という単純な関係にはなっていません。
- ㎡単価は60〜80㎡を頂点に、80〜100㎡が1,088,194円/㎡、100〜150㎡が1,040,000円/㎡と緩やかに下がります。60〜80㎡との差はそれぞれ約6%、約10%で、広い区分ほど単価は落ち着いた水準になっています。
- 成約価格の中央値は40㎡未満の2,200万円から100〜150㎡の12,000万円まで開きます。40㎡未満と60〜80㎡(7,900万円)では約3.6倍で、単価の差(約1.34倍)よりも面積差の影響が大きく効いています。
- 件数は60〜80㎡が1,034件で全体の約37%、40〜60㎡が702件で約25%と、この2区分で6割を超えます。一方100〜150㎡は140件で約5%にとどまり、区分によって参照できる取引数の厚みが大きく違います。
※ 世田谷区の「中古マンション等」のうち、面積が記録されている取引2,983件の集計です。中央値は価格順に並べたときの中央の値で、平均とは違い極端な取引に引っ張られません。件数が25件未満の区分は、数字が安定しないため表に出していません。
対象期間: 2025年 第1四半期〜2026年 第1四半期/集計対象 2,983件。 中央値は、条件に当てはまる取引を価格順に並べたときのちょうど中央の値です。 個別の物件の価格ではなく、確定的な査定額でもありません。
出典: 国土交通省「不動産情報ライブラリ」不動産価格(取引価格情報)(当サイトが条件で絞り込み集計。加工方法は本文に明記)
㎡単価が最も高いのは60〜80㎡という結果
表を単価の順に並べ替えると、60〜80㎡の1,157,143円/㎡が最も高く、次に80〜100㎡の1,088,194円/㎡、100〜150㎡の1,040,000円/㎡、40〜60㎡の950,000円/㎡、そして40㎡未満の866,667円/㎡と続きます。「狭い部屋ほど㎡単価は高くなる」と説明されることもありますが、世田谷区のこの期間のデータでは、そうした形にはなっていません。単価の頂点は60〜80㎡にあり、そこから小さい側にも大きい側にも下がっていきます。
差の大きさを見ると、60〜80㎡と40㎡未満の間は約29万円/㎡で、比率にすると約1.34倍です。一方で60〜80㎡と80〜100㎡の差は約7万円/㎡(約6%)、100〜150㎡との差は約12万円/㎡(約10%)にとどまります。つまり単価のばらつきは、広い側よりも狭い側で大きく開いています。
ここで使っている中央値(価格順に並べたときの真ん中の値)は、極端に高い取引や安い取引に引っ張られにくい指標です。とはいえ、同じ面積区分の中にも駅からの距離や築年数の違う物件が混ざっています。単価の順位は「その区分の代表値どうしの比較」であって、個別の部屋の評価がそのまま順位どおりになるわけではありません。
成約価格の開きは単価差より面積差で決まっている
成約価格の中央値は、40㎡未満が2,200万円、40〜60㎡が4,500万円、60〜80㎡が7,900万円、80〜100㎡が9,200万円、100〜150㎡が12,000万円です。40㎡未満と60〜80㎡を比べると約3.6倍の開きがあります。単価の差は約1.34倍ですから、価格の開きの大半は単価ではなく面積そのものから来ていることが分かります。
区分をひとつ上がるごとの増え方も一定ではありません。40㎡未満から40〜60㎡へは約2倍、40〜60㎡から60〜80㎡へは約1.8倍と大きく跳ね、60〜80㎡から80〜100㎡へは1,300万円増(約1.16倍)、80〜100㎡から100〜150㎡へは2,800万円増(約1.30倍)です。区分の幅の取り方も影響しますが、広い側では単価が下がるため、面積が増えた分がそのまま価格に乗るわけではありません。
売却を考えるとき、この二つの数字は役割が違います。成約価格の中央値は「同じくらいの広さの部屋が、いくらで取引されているか」の目安になります。㎡単価の中央値は、自分の専有面積を掛けることで概算の位置を出すのに使えます。どちらも中央値なので、自分の物件がその区分の上寄りか下寄りかは、この表だけでは分かりません。
件数の厚みが区分ごとに大きく違う
件数を見ると、60〜80㎡が1,034件で全体2,811件の約37%を占め、次に40〜60㎡の702件(約25%)が続きます。この2区分だけで6割を超え、世田谷区の中古マンション取引の中心がこの広さにあることが分かります。40㎡未満は495件(約18%)、80〜100㎡は440件(約16%)、100〜150㎡は140件(約5%)です。
件数の多い区分では、比較対象になる取引が多く、価格の目安を立てやすい状況にあります。逆に100〜150㎡のように140件しかない区分では、中央値の背後にある取引の幅が広く、同じ広さでも条件によって結果が大きく変わりうることを前提に見ておく必要があります。件数が少ないことは需要の有無を示すものではなく、あくまで「参照できるデータの厚み」の問題です。
なお、成約価格の中央値を㎡単価の中央値で割ると、各区分でおおよそ25㎡台、47㎡台、68㎡台、84㎡台、115㎡台という値になります。二つの中央値は別々に求めた値なので厳密な平均面積ではありませんが、各区分の重心がどのあたりにあるかの目安にはなります。自分の部屋が区分の下限に近いか上限に近いかで、同じ区分内でも位置づけは変わります。
この表を使って次に調べること
まず自分の物件の専有面積を登記事項証明書やマンションの管理規約、購入時の契約書で確認し、どの区分に入るかを特定します。区分が分かれば、その区分の㎡単価の中央値に面積を掛けた概算と、成約価格の中央値の二つを並べて、おおまかな位置を掴めます。境界(60㎡や80㎡など)の近くにある場合は、隣接する二つの区分の数字を両方見ておくと幅が分かります。
次に、面積以外の軸で自分の物件を絞り込みます。同じ面積でも、最寄り駅からの距離、築年数、階数や向き、管理状況によって評価は変わります。面積で切った表は出発点であり、そこから築年帯や地域を絞ったデータを見ていくことで、より自分の物件に近い水準に寄せられます。
売却の進め方は事情によって変わります。相続で取得した場合は名義や相続登記の状況、住み替えなら次の住まいとの時期の調整、共有名義なら他の名義人との合意など、価格以外に整理すべき論点があります。税金の扱いも個別の事情により異なる場合がありますので、具体的な金額の見立てや税務の判断は、査定を行う提携の専門業者や税理士など専門家に確認してください。
- 専有面積を書類で確認し、表のどの区分に入るかを特定する
- 区分の境界に近い場合は隣接区分の数字も併せて見る
- 駅距離・築年数・階数など面積以外の条件を書き出す
- 相続登記や共有名義など、価格以外に整理が必要な事項を洗い出す
- 具体的な金額や税務の判断は専門家に確認する
よくある質問
- Q. なぜ40㎡未満の㎡単価が一番低いのですか
- A. この期間の世田谷区のデータでは、40㎡未満の㎡単価の中央値は866,667円/㎡で、60〜80㎡の1,157,143円/㎡より約1.34倍低い水準でした。理由は表からは読み取れません。一般に小規模住戸は築年数や立地、間取りの構成が広い住戸と異なる傾向があり、そうした条件の違いが混ざって中央値に表れている可能性があります。
- Q. 表の中央値に自分の面積を掛ければ売却価格が分かりますか
- A. おおまかな位置を掴む目安にはなりますが、そのまま売却価格になるものではありません。中央値はその区分の真ん中の値であり、同じ面積区分の中にも駅距離や築年数、管理状況の違う物件が含まれています。実際の価格は個別の条件と売却時期で変わりますので、具体的な見立ては提携の専門業者による査定で確認してください。
- Q. 100〜150㎡は140件と少ないのですが、参考になりますか
- A. 参考になりますが、扱いには注意が必要です。140件は全体2,811件の約5%で、60〜80㎡の1,034件と比べると参照できる取引の厚みが薄くなります。中央値としての意味は保たれますが、区分内の条件の幅が広い分、個別物件との差が出やすくなります。近い面積の80〜100㎡の数字も併せて見ておくとよいでしょう。
- Q. 面積のほかにどの切り口を見ればよいですか
- A. 築年数、最寄り駅からの距離、区内のエリアといった軸で絞ると、自分の物件に近い水準に寄せられます。面積で切った表はあくまで出発点です。ただし軸を細かくするほど1区分あたりの件数は減り、数字が振れやすくなります。件数と併せて見て、厚みのある区分から順に確認していくのが現実的です。
※ 本記事の数字は、国土交通省「不動産情報ライブラリ」の取引価格情報を当サイトが条件で絞り込んで集計したものです。中央値は条件に当てはまる取引を価格順に並べたときの中央の値であり、個別の物件の価格でも、確定的な査定額でもありません。当サイトは宅地建物取引業を行いません。実際の売却の手続き・査定は提携する専門業者が行います。税制・法令の適用可否は個別事情により異なりますので、税務署・税理士・司法書士等の専門家にご確認ください。
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