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大田区の中古マンション、改装済みと未改装で㎡単価が逆転する914件

公開日: 2026-08-20

「リフォーム済みにしてから売ったほうが高く売れるのか」は、中古マンションの売却でよく出る疑問です。今回は国土交通省の取引価格情報から、大田区の中古マンション等914件を「改装の有無」で分けて集計しました。結果は、改装済みのほうが成約価格の中央値は高いのに、面積1㎡あたりの単価の中央値は未改装のほうが高い、という一見ねじれた形になりました。この記事では、この2つの数字がなぜ逆を向くのか、そして自分の物件がどちらの区分に近いのかを確かめる手順を整理します。

当サイト独自集計国土交通省の実取引データ1,051件を集計

データ:大田区の中古マンションを改装の有無で見る

対象は2025年第1四半期から2026年第1四半期に大田区で記録された中古マンション等の取引です。これを「未改装」「改装済み」に分け、それぞれの件数、㎡単価(成約価格÷専有面積)の中央値、成約価格の中央値を出しました。中央値は価格順に並べたときの真ん中の値で、極端に高い・安い取引に引っ張られにくい指標です。

改装の有無取引件数㎡単価の中央値成約価格の中央値
未改装6871,040,000円/㎡2,900万円
改装済み364880,000円/㎡4,400万円
  • 件数は未改装583件、改装済み331件で、合計914件のうち未改装が約64%を占めます。大田区の中古マンション市場では、改装せずにそのまま売買される取引のほうが多数派だと読み取れます。
  • 成約価格の中央値は未改装2,900万円、改装済み4,300万円で、差は1,400万円、倍率では約1.48倍です。総額だけを見れば改装済みのほうが明らかに高い水準で取引されています。
  • ㎡単価の中央値は未改装1,030,769円/㎡、改装済み860,000円/㎡で、改装済みのほうが約17%低いという逆の関係になっています。総額と単価で順位が入れ替わる点が、この表のいちばんの特徴です。
  • 中央値の成約価格を中央値の㎡単価で機械的に割ると、未改装は約28㎡、改装済みは約50㎡に相当します。厳密な面積の中央値ではありませんが、2つの区分が違う広さ帯の物件群であることを示す手がかりになります。

大田区の「中古マンション等」のうち、改装の有無が記録されている取引1,051件の集計です。中央値は価格順に並べたときの中央の値で、平均とは違い極端な取引に引っ張られません。件数が25件未満の区分は、数字が安定しないため表に出していません。

対象期間: 2025年 第1四半期〜2026年 第1四半期/集計対象 1,051件。 中央値は、条件に当てはまる取引を価格順に並べたときのちょうど中央の値です。 個別の物件の価格ではなく、確定的な査定額でもありません。

出典: 国土交通省「不動産情報ライブラリ」不動産価格(取引価格情報)(当サイトが条件で絞り込み集計。加工方法は本文に明記)

総額は改装済みが高く、単価は未改装が高い

表を上から順に見ていくと、まず件数の偏りが目に入ります。未改装583件に対して改装済み331件で、全914件のうち約64%が未改装です。つまり大田区の中古マンションでは、内装に手を入れないまま取引される物件のほうが数として多いという状況です。

次に成約価格の中央値です。未改装2,900万円、改装済み4,300万円で、差は1,400万円。倍率にすると約1.48倍で、改装済みのほうがはっきり高い総額で成約しています。ところが㎡単価の中央値を見ると、未改装1,030,769円/㎡、改装済み860,000円/㎡と順序が入れ替わります。改装済みは未改装より約17%低い単価です。

同じデータから、総額では改装済みが上、単価では未改装が上という結果が同時に出ているわけです。この2つは矛盾しているわけではなく、それぞれ違うものを測っています。総額は「その物件全体がいくらで売れたか」、㎡単価は「広さ1㎡分あたりいくらか」です。順位が逆転するときは、2つの区分に含まれる物件の性質そのものが違っている可能性を考える必要があります。

逆転の手がかりは物件の広さにある

成約価格の中央値を㎡単価の中央値で割ると、未改装は約28㎡、改装済みは約50㎡という数字が出ます。中央値同士の割り算なので実際の面積の中央値と一致するとは限りませんが、2つの区分がおおよそ違う広さ帯に集まっていることを示す目安にはなります。

一般に、マンションの単価は狭い住戸ほど高く出やすい傾向があります。玄関・水回り・設備といった、面積に比例しない部分のコストや価値が、狭い住戸では1㎡あたりに強く効いてくるためです。ワンルームや1K規模の住戸が多く含まれる区分では、㎡単価の中央値が押し上げられやすくなります。

そう考えると、未改装583件には投資用や単身向けの小規模住戸が相対的に多く含まれ、改装済み331件にはファミリー向けの広い住戸が多く含まれている、という構図が想定できます。この場合、㎡単価の差は「改装したかどうか」ではなく「どんな広さの住戸が集まっているか」を反映している部分が大きい、と読むのが自然です。表の数字は、改装の効果そのものを取り出したものではないという点を押さえておいてください。

  • この表は改装の有無で分けた集計であり、同じ物件を改装前後で比較したものではありません
  • 区分ごとに広さ・階数・築年・立地の構成が違うため、単価差をそのまま改装の効果として扱うことはできません
  • 比較するなら、自分の物件と広さ帯が近い取引だけを抜き出して見るほうが実態に近づきます

自分の物件がどちらに近いかを確かめる手順

まず確認したいのは専有面積です。手元の物件が20㎡台なのか50㎡前後なのかで、この表のどちらの区分に近い性質を持つかが変わります。登記事項証明書やマンションの売買契約書、管理規約に付いている図面などで専有面積を確認し、成約価格の中央値ではなく㎡単価の側で当てはめてみると、水準感を掴みやすくなります。

次に、改装をしてから売るかどうかの判断です。この表から言えるのは「改装済みの区分の成約価格中央値が高い」という事実までで、改装費用を投じた分がそのまま価格に上乗せされるという結論は導けません。工事費、工事期間中の維持費、買主の好みと合わない仕上げになるリスクなど、数字に表れない要素が絡みます。判断材料としては、改装せずそのまま売る場合の想定価格と、改装後の想定価格から費用を引いた金額を並べて比べる形が現実的です。

なお当サイトは宅地建物取引業を行っておらず、査定や売却の実務は提携する専門業者が担います。この記事は公開データの読み方を整理するもので、個別の物件についての価格の見立てではありません。実際の売却方針は、物件の状態を見た専門業者と相談しながら決めてください。

  • 専有面積を確認し、成約価格ではなく㎡単価で水準を当てはめる
  • 改装費用を含めた手残りベースで、改装する場合とそのまま売る場合を並べて比較する
  • 相続・住み替え・離婚など事情によって進め方や必要書類が変わるため、早い段階で条件を整理しておく

この表で分からないことを押さえておく

取引価格情報は、実際に成約した取引を集めたものです。したがって「売り出したが売れなかった価格」は含まれません。売出価格の水準や、成約までにかかった期間はこの表からは分かりません。また改装の有無はデータ上の区分であり、どの範囲をどの程度手を入れたのかという内容の違いは区別されていません。

立地についても、大田区全体をひとまとめにした集計です。区内には最寄り駅や利便性の異なるエリアが含まれ、同じ広さ・同じ改装の状態でも地域差が生じます。914件という件数は傾向を見るには十分ですが、区全体の中央値がそのまま特定の物件に当てはまるとは限りません。

税金についても触れておくと、居住用財産の売却には一定の特例が設けられている場合があり、相続した不動産では取得費や取得時期の扱いが個別の事情により異なります。適用の可否は要件次第なので、税理士や税務署に確認するのが確実です。

よくある質問

Q. 改装済みのほうが㎡単価が安いなら、改装は価格に効いていないということですか。
A. そう断定はできません。この表は改装の有無で物件群を分けた集計で、同一物件の改装前後を比べたものではありません。㎡単価の中央値が未改装1,030,769円/㎡、改装済み860,000円/㎡と逆転しているのは、それぞれの区分に含まれる住戸の広さ帯が違うことが影響している可能性があります。改装の効果を見たい場合は、広さや築年が近い取引に絞って比較する必要があります。
Q. 成約価格の中央値2,900万円と4,300万円は、自分の物件の目安になりますか。
A. 広さが近いかどうかで見方が変わります。中央値の成約価格を中央値の㎡単価で割ると未改装は約28㎡、改装済みは約50㎡相当となり、2つの区分は違う広さ帯を映している可能性があります。ご自身の専有面積を確認し、まずは㎡単価の側で当てはめてから、面積を掛けて総額のイメージをつくるほうが実態に近づきます。
Q. 売る前にリフォームしたほうがよいのでしょうか。
A. この表からは判断できません。改装済みの区分で成約価格の中央値が高いことは読み取れますが、費用がそのまま価格に反映されるとは限らず、工事費や工事期間、仕上げの好みが買主と合うかといった要素が絡みます。改装せずに売る場合の想定価格と、改装後の想定価格から費用を引いた金額を並べて比較し、物件を見た専門業者の意見も踏まえて決めるのが現実的です。
Q. 件数が未改装583件、改装済み331件と偏っているのはなぜですか。
A. 理由はこのデータからは分かりません。一般的には、そのままの状態で引き渡す取引のほうが売主の手間や費用が少なく、買主が自分の好みで手を入れる前提で購入するケースもあります。ただしこれは制度や慣行としての説明で、大田区の件数の偏りを説明する根拠として数値で示せるものではありません。表から言えるのは、全914件のうち未改装が約64%を占めるという事実までです。

本記事の数字は、国土交通省「不動産情報ライブラリ」の取引価格情報を当サイトが条件で絞り込んで集計したものです。中央値は条件に当てはまる取引を価格順に並べたときの中央の値であり、個別の物件の価格でも、確定的な査定額でもありません。当サイトは宅地建物取引業を行いません。実際の売却の手続き・査定は提携する専門業者が行います。税制・法令の適用可否は個別事情により異なりますので、税務署・税理士・司法書士等の専門家にご確認ください。

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