江東区の中古マンション、改装の有無で㎡単価と総額はどう動くか
公開日: 2026-08-20
江東区で中古マンションの売却を考えるとき、「リフォームしてから売ったほうが高いのか」は多くの方が気にする点です。この記事では、国土交通省「不動産情報ライブラリ」の取引価格情報から、江東区の中古マンション等964件を「改装の有無」で分けて集計した結果を読み解きます。結論を先に言えば、改装済みのほうが成約価格の中央値は高い一方で、㎡単価の中央値はむしろ低いという、一見ねじれた形になっています。この差が何を意味するのか、そして自分の物件がどのあたりに位置するのかを掴むための順序を整理します。
データ:江東区の中古マンションを改装の有無で見る
対象は2025年第1四半期から2026年第1四半期に江東区で記録された中古マンション等の取引です。これを「未改装」「改装済み」に分け、それぞれの件数、㎡単価(成約価格÷専有面積)の中央値、成約価格の中央値を並べました。中央値は価格順に並べたときの真ん中の値で、極端な取引に引っ張られにくい指標です。件数が少ない区分は除いています。
| 改装の有無 | 取引件数 | ㎡単価の中央値 | 成約価格の中央値 |
|---|---|---|---|
| 未改装 | 735 | 1,200,000円/㎡ | 3,900万円 |
| 改装済み | 425 | 1,000,000円/㎡ | 6,000万円 |
- 集計対象は合計964件で、内訳は未改装593件、改装済み371件です。未改装が全体の約62%を占め、改装の有無が記録された取引としては未改装のほうが多数派という構成になっています。
- ㎡単価の中央値は未改装が1,200,000円/㎡、改装済みが1,000,000円/㎡です。改装済みのほうが1㎡あたり20万円、比率にして約17%低い水準にとどまっています。
- 成約価格の中央値は未改装3,800万円、改装済み6,000万円で、差は2,200万円。改装済みは未改装の約1.6倍で、㎡単価とは逆の向きに開いています。
- 中央値の成約価格を中央値の㎡単価で割り戻すと、未改装は約32㎡、改装済みは約60㎡に相当します。厳密に同一物件の面積を示す値ではありませんが、比較されている物件の面積帯そのものが違う可能性を示しています。
※ 江東区の「中古マンション等」のうち、改装の有無が記録されている取引1,160件の集計です。中央値は価格順に並べたときの中央の値で、平均とは違い極端な取引に引っ張られません。件数が25件未満の区分は、数字が安定しないため表に出していません。
対象期間: 2025年 第1四半期〜2026年 第1四半期/集計対象 1,160件。 中央値は、条件に当てはまる取引を価格順に並べたときのちょうど中央の値です。 個別の物件の価格ではなく、確定的な査定額でもありません。
出典: 国土交通省「不動産情報ライブラリ」不動産価格(取引価格情報)(当サイトが条件で絞り込み集計。加工方法は本文に明記)
総額は改装済みが高く、単価は未改装が高い
まず数字をそのまま確認します。未改装は593件で、㎡単価の中央値が1,200,000円/㎡、成約価格の中央値が3,800万円。改装済みは371件で、㎡単価の中央値が1,000,000円/㎡、成約価格の中央値が6,000万円です。成約価格だけを見れば改装済みが2,200万円高く、約1.6倍の水準にあります。
ところが、面積で割った㎡単価では順序が入れ替わります。未改装の1,200,000円/㎡に対し改装済みは1,000,000円/㎡で、1㎡あたり20万円、比率で約17%低い。つまり「改装済みだから1㎡あたりの評価が高い」という単純な関係は、この集計表からは読み取れません。
ここで押さえておきたいのは、この表が示しているのは改装の有無ごとの取引の集まりの傾向であって、同じ物件を改装した場合の前後比較ではないという点です。改装費用を投じれば成約価格がこの差額分だけ上がる、という読み方はできません。
単価と総額が逆を向く背景を面積から考える
単価が低いのに総額が高いという組み合わせが成り立つには、面積の違いが関わっている可能性が高くなります。中央値の成約価格を中央値の㎡単価で割り戻すと、未改装は約32㎡、改装済みは約60㎡に相当する計算になります。中央値同士の割り算なので特定の物件の面積を指すわけではありませんが、比較されている二つのグループが同じ広さの物件同士ではないことを示す手がかりになります。
一般に、単身者向けの狭い住戸は㎡単価が高めに出て総額は小さく、ファミリー向けの広い住戸は㎡単価が抑えられて総額が大きくなる傾向が、市場ではよく指摘されます。この集計の未改装と改装済みの並びは、その面積帯の違いを反映している可能性があります。改装という手を入れる判断がどの規模の住戸で選ばれやすいか、という事情も背景にありえます。
いずれにしても、改装の有無という一軸だけで自分の物件の価格を見積もるのは無理があります。この表は、面積・築年数・立地といった他の条件と重ねて見るための出発点として扱うのが現実的です。
自分の物件がどのあたりかを掴む順序
最初にやることは、手元の資料から専有面積を正確に確認することです。登記事項証明書や売買契約書、管理規約に記載された面積を押さえたうえで、この表のどちらのグループに近い規模なのかを見ます。そのうえで、㎡単価の中央値を面積に掛けてみると、おおまかな位置づけの目安が得られます。あくまで中央値を使った目安であり、上下に幅があることは前提です。
次に、室内の状態を客観的に整理します。設備の入れ替えや内装の全面的な手入れをしているのか、部分的な補修にとどまるのか。この集計の「改装済み」「未改装」は取引時の記録に基づく区分なので、自分の物件がどちらとして扱われそうかは、見積もりを依頼する段階で状況を具体的に伝えて判断してもらうことになります。
そのうえで、江東区は湾岸の大規模物件から内陸の中小規模物件まで幅が広い地域です。同じ区内でも最寄り駅や築年数で条件が変わるため、この表の数字を自分の物件に当てはめる作業は、実際の物件を見た専門業者の査定と併せて進めるのが確実です。
- 専有面積を登記事項証明書や契約書で確認する
- この表のどちらの面積帯・区分に近いかを見る
- ㎡単価の中央値×面積で大まかな位置を把握する
- 築年数・最寄り駅・階数など他の条件を書き出す
- 提携の専門業者による査定で実際の状態を見てもらう
改装するかどうかを決める前に確認したいこと
この集計から「改装すれば高く売れる」という結論は出てきません。㎡単価では改装済みのほうが低い水準にあり、総額の差は面積帯の違いで説明できる部分がある、というところまでが読み取れる範囲です。改装費用をかけて回収できるかどうかは、物件の状態や想定される買い手層によって変わるため、費用の見積もりと想定売却価格の両方を並べて検討する必要があります。
また、売却に伴う税金や控除の扱いは、所有期間、居住していたかどうか、相続で取得したかどうかなどの事情によって取り扱いが異なる場合があります。改装費用が取得費や譲渡費用としてどう扱われるかも個別の事情で変わりうるため、判断の前に税理士など専門家に確認することをおすすめします。
なお当サイトは宅地建物取引業を行っておらず、査定や売却の実務は提携する専門業者が担います。この記事の役割は、公開データの読み方を示して、次に何を調べ、誰に何を聞けばよいかを整理することにあります。
よくある質問
- Q. 改装済みのほうが㎡単価が低いのは、リフォームが評価されていないということですか。
- A. この表からはそう断定できません。㎡単価の中央値は未改装1,200,000円/㎡、改装済み1,000,000円/㎡で確かに差がありますが、これは改装の有無以外の条件も混ざったグループ同士の比較です。中央値の成約価格を割り戻すと改装済みのほうが面積の大きい住戸が多い可能性があり、広い住戸ほど㎡単価が抑えられる傾向が影響していると考えられます。同じ物件の改装前後を比べた数字ではない点にご注意ください。
- Q. 成約価格の中央値が6,000万円なら、自分の物件もそのくらいで売れますか。
- A. 中央値は価格順に並べた真ん中の値なので、その金額で売れることを示すものではありません。改装済み371件の真ん中がそこにあるという意味で、上にも下にも取引は分布しています。ご自身の物件の面積、築年数、最寄り駅、階数、管理状態などによって水準は変わります。まずは専有面積を確認し、㎡単価の中央値を掛けたおおまかな目安を出したうえで、実際の査定で幅を確かめる進め方が現実的です。
- Q. 売る前に改装したほうがよいのでしょうか。
- A. この集計だけでは判断できません。改装費用がいくらかかるか、その物件でどの層の買い手が想定されるか、改装せずに売る場合の価格見込みはどうか、という材料を並べて比べる必要があります。買い手が自分の好みで手を入れたいと考える場合もあり、改装が必ず有利に働くとは限りません。費用の見積もりと売却の見込みを両方そろえて、専門業者に相談しながら決めるのが安全です。
- Q. この数字はどこから来ているのですか。
- A. 国土交通省「不動産情報ライブラリ」の不動産価格(取引価格情報)です。2025年第1四半期から2026年第1四半期に江東区で記録された中古マンション等の取引を、改装の有無で分けて集計しました。合計964件で、件数が少ない区分は除いています。㎡単価は成約価格を専有面積で割った値です。公的に公開されたデータですが、すべての取引を網羅するものではなく、区分の記載も取引時の記録に基づきます。
※ 本記事の数字は、国土交通省「不動産情報ライブラリ」の取引価格情報を当サイトが条件で絞り込んで集計したものです。中央値は条件に当てはまる取引を価格順に並べたときの中央の値であり、個別の物件の価格でも、確定的な査定額でもありません。当サイトは宅地建物取引業を行いません。実際の売却の手続き・査定は提携する専門業者が行います。税制・法令の適用可否は個別事情により異なりますので、税務署・税理士・司法書士等の専門家にご確認ください。
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