江東区の中古マンション、間取り別に見た㎡単価と成約価格の中央値
公開日: 2026-08-20
江東区で中古マンションの売却を考えるとき、最初に知りたいのは「自分の間取りだと、どのあたりの水準で取引されているのか」でしょう。この記事は、国土交通省が公表している実際の取引価格情報をもとに、江東区の中古マンション等3,319件を間取り別に集計し、㎡単価の中央値と成約価格の中央値を並べたものです。相場を予想するのではなく、すでに成立した取引がどう分布していたかを読み取ります。表を見ながら、自分の物件が価格の高い区分に入るのか、単価で見ると別の見え方になるのかを確認し、次に何を調べればよいかまで整理していきます。
データ:江東区の中古マンションを間取りで見る
国土交通省「不動産情報ライブラリ」の不動産価格(取引価格情報)から、江東区・中古マンション等の2025年第1四半期〜2026年第1四半期の取引を抽出し、間取り区分ごとに件数、㎡単価の中央値、成約価格の中央値を集計しました。件数が少ない区分は除いています。
| 間取り | 取引件数 | ㎡単価の中央値 | 成約価格の中央値 |
|---|---|---|---|
| 3LDK | 1,258 | 1,085,714円/㎡ | 8,000万円 |
| 2LDK | 891 | 1,375,000円/㎡ | 9,000万円 |
| 1K | 537 | 1,160,000円/㎡ | 2,800万円 |
| 1LDK | 298 | 1,333,333円/㎡ | 6,550万円 |
| 2LDK+S | 132 | 875,714円/㎡ | 6,150万円 |
| 4LDK | 120 | 931,372円/㎡ | 8,300万円 |
| 1DK | 80 | 977,381円/㎡ | 3,150万円 |
| 1LDK+S | 61 | 1,090,909円/㎡ | 6,000万円 |
| 2DK | 60 | 666,667円/㎡ | 3,300万円 |
| 3DK | 55 | 563,636円/㎡ | 3,300万円 |
| 1R | 51 | 733,333円/㎡ | 2,300万円 |
- 件数は3LDKが1,188件、2LDKが851件で、この2区分だけで2,039件、全3,319件の約61%を占めます。さらに1K454件、1LDK292件を加えた上位4区分で2,785件、約84%に達します。江東区の取引は、ファミリー向けと単身向けの限られた間取りに集中していることが分かります。
- 成約価格の中央値が最も高いのは2LDKの9,000万円で、4LDKの8,200万円、3LDKの8,000万円を上回っています。㎡単価の中央値でも2LDKが1,384,615円/㎡で最も高く、3LDKの1,090,598円/㎡の約1.27倍です。部屋数が多いほど高いという単純な並びにはなっていません。
- 同じ部屋数でもLDK表記とDK表記で㎡単価の差が大きく、3LDK1,090,598円/㎡に対し3DKは563,636円/㎡(約52%)、2LDK1,384,615円/㎡に対し2DKは666,667円/㎡(約48%)です。㎡単価の最高は2LDK、最低は3DKで、その差は約2.46倍になります。
- ㎡単価と成約価格の順位は一致しません。1Kは1,133,333円/㎡で3LDKの1,090,598円/㎡を上回りますが、価格中央値は2,800万円で3LDK8,000万円の約35%です。単価が高いか低いかと、手元に入る金額の大小は別の話として見る必要があります。
※ 江東区の「中古マンション等」のうち、間取りが記録されている取引3,543件の集計です。中央値は価格順に並べたときの中央の値で、平均とは違い極端な取引に引っ張られません。件数が30件未満の区分は、数字が安定しないため表に出していません。
対象期間: 2025年 第1四半期〜2026年 第1四半期/集計対象 3,543件。 中央値は、条件に当てはまる取引を価格順に並べたときのちょうど中央の値です。 個別の物件の価格ではなく、確定的な査定額でもありません。
出典: 国土交通省「不動産情報ライブラリ」不動産価格(取引価格情報)(当サイトが条件で絞り込み集計。加工方法は本文に明記)
2LDKの中央値が3LDKと4LDKを上回っている
表をまず価格中央値の順に並べ替えると、2LDK9,000万円、4LDK8,200万円、3LDK8,000万円という順になります。部屋数が多いほど価格が高くなるという直感とは違い、2LDKが先頭に来ています。㎡単価の中央値でも2LDKは1,384,615円/㎡で全区分の最高値、3LDKは1,090,598円/㎡、4LDKは929,412円/㎡ですから、2LDKは単価でも価格でも上位にいることになります。
この関係は、間取り区分ごとに含まれる物件の性質が違うことの反映と考えるのが自然です。同じ「中古マンション等」でも、区分によって多く含まれる建物の立地や規模、築年の構成は異なります。この表は間取りだけで切った集計なので、その内訳までは読み取れません。したがって「2LDKだから高い」ではなく、「2LDKとして取引された物件群の真ん中が9,000万円だった」と受け取るのが正確です。
一方、4LDKは㎡単価が3LDKの約85%にとどまりながら、価格中央値は8,200万円で3LDKを上回ります。単価が下がっても面積が大きければ総額は上がる、という関係がここに出ています。売却の場面で受け取る金額は総額で決まりますが、他の物件と比べて割高か割安かを見るときは単価が手がかりになります。両方を並べて見る意味はここにあります。
DK表記とLDK表記のあいだに大きな単価差がある
部屋数が同じでも、LDK表記とDK表記で㎡単価の中央値は大きく離れています。3LDK1,090,598円/㎡に対し3DKは563,636円/㎡で約52%、2LDK1,384,615円/㎡に対し2DKは666,667円/㎡で約48%です。1LDK1,333,333円/㎡と1DK952,381円/㎡は約71%、1K1,133,333円/㎡と1R733,333円/㎡は約65%と、差は縮まりますがいずれもDK・R側が下になっています。
価格中央値で見ると、DK表記の3区分は1DK3,150万円、3DK3,300万円、2DK3,350万円と、いずれも3,000万円台前半に収まっています。部屋数が1つでも3つでも総額の水準がほぼ変わらない、という並び方です。件数は1DK72件、3DK55件、2DK54件の合計181件で、全体3,319件の約5%にとどまります。
DKという表記自体が価格を決めているわけではありません。一般に、居間と食事室の広さの取り方によって表記が変わる慣行があり、その表記が使われている物件群には共通した特徴が現れやすい、という見方になります。自分の物件がDK表記であれば、まず2DK・3DKの数値を出発点に置き、そこから自分の物件固有の条件でどれだけ振れるかを確認していく流れが現実的です。
+S付きの区分は同じ部屋数より単価が低く出ている
表には2LDK+Sが131件、1LDK+Sが60件含まれています。㎡単価の中央値は2LDK+Sが880,000円/㎡で、2LDK1,384,615円/㎡の約64%。1LDK+Sは1,101,010円/㎡で、1LDK1,333,333円/㎡の約83%です。+Sが付くことで単価が上がるという結果にはなっていません。
価格中央値では、2LDK+S6,200万円と1LDK+S6,250万円が近い水準に並び、1LDK6,600万円をどちらも下回っています。+Sが付く区分では、単価が下がる分と面積が増える分が打ち消し合って、総額が2LDK9,000万円ほどには届いていない、という読み方ができます。
S(サービスルーム)は、建築基準法上の採光などの条件を満たさない部屋を居室と分けて表示する慣行に基づく表記で、扱いは物件ごとに異なる場合があります。同じ広さでも居室として数えられるかどうかで表記が変わるため、+S付き物件を売却する場合は、図面上の表記と実際の使われ方の両方を確認しておくと、査定を依頼する際の説明がしやすくなります。
自分の物件がどの行に当たるかを決めてから次を調べる
この表を使うときの手順は単純です。まず、売買時の広告や登記関係の書類、管理規約の添付図面などで自分の物件の間取り表記を確認し、表の該当する行を1つ決めます。次にその行の価格中央値を見て、総額の目安の中心をつかみます。最後に㎡単価の中央値に自分の専有面積をかけ、総額の見え方が中央値とどれくらいずれるかを確かめます。面積が区分の平均的な広さより広ければ上に、狭ければ下に振れる、という関係が見えてきます。
ただし、中央値は真ん中の値であって上限でも下限でもありません。同じ間取り区分の中には、これより高い取引も低い取引も同じ数だけ含まれています。この集計は間取りだけで切っているため、築年、駅からの距離、階数や向き、管理状態、リフォームの履歴といった要素はすべて区分の中に混ざったままです。実際の査定額がこの中央値から離れることは十分にあり得ます。
次に調べるべきは、同じ間取り区分の中で自分の物件がどの位置にいるかを説明できる材料です。築年数、面積、最寄り駅、専有部分の状態、管理費や修繕積立金の状況などを一度書き出しておくと、複数の会社に査定を依頼したときに数字の根拠を比べやすくなります。査定や売却の実務は提携している専門業者が行いますので、この表を手元の資料として持ち込み、区分の中央値との差を質問する形で使うのが効率的です。
- 自分の物件の間取り表記を書類で確認し、表の行を1つ決める
- その行の成約価格の中央値を総額の中心として押さえる
- ㎡単価の中央値×自分の専有面積で、面積差による振れ幅を見る
- 築年・駅距離・階数・管理状態など、区分内での位置を説明する材料を書き出す
- 複数社の査定額を、中央値との差の理由という観点で比べる
よくある質問
- Q. 1Kの価格中央値は2,800万円ですが、自分の1Kもこの金額で売れますか。
- A. 中央値は、対象期間に成立した1K454件を価格順に並べたときの真ん中の値です。これより高い取引も低い取引も同じ数だけ含まれており、個別の物件の売却額を保証するものではありません。同じ1Kでも面積や築年、立地、室内の状態によって結果は変わります。㎡単価の中央値1,133,333円/㎡に自分の専有面積をかけて、2,800万円との差を見ておくと、面積によるずれの大きさが把握しやすくなります。実際の金額は提携の専門業者による査定で確認してください。
- Q. うちは3DKですが、3LDKと表記すれば高く売れるのでしょうか。
- A. 表記を書き換えれば価格が動く、という関係ではありません。3LDK1,090,598円/㎡と3DK563,636円/㎡という差は、それぞれの表記が使われている物件群の性質の違いが数字に表れたものと考えるのが自然です。間取り表記は居間や食事室の広さの取り方に関する慣行に沿って付けられており、恣意的に変えられるものではありません。自分の物件については、まず3DKの行を出発点にし、専有面積や立地など個別の条件でどう評価が変わるかを査定で確かめる進め方が現実的です。
- Q. 4LDKは㎡単価が3LDKより低いのに、価格中央値は高くなっています。矛盾していませんか。
- A. 矛盾ではありません。㎡単価は1㎡あたりの金額、成約価格は総額なので、面積が大きければ単価が低くても総額は上がります。表では4LDKが929,412円/㎡で3LDK1,090,598円/㎡の約85%ですが、価格中央値は8,200万円と8,000万円で4LDKが上です。売主が受け取る金額は総額で決まりますが、同じエリアの他の物件と比べて割高か割安かを見るときは単価が手がかりになります。二つの指標は用途が違う、と整理しておくとよいでしょう。
- Q. 件数が50件台の間取り区分の数値も、同じように信頼して使えますか。
- A. 3DK55件、2DK54件、1R51件のように件数が少ない区分は、1件ごとの影響が相対的に大きくなります。1,188件の3LDKと同じ精度で読むことは避け、目安の一つとして扱うのが安全です。なお、この集計ではさらに件数の少ない区分は除外しています。件数の少ない区分に当たる物件を売却する場合は、表の数値に加えて、同じ建物や近い条件の取引事例を専門業者に確認してもらうと、判断材料が増えます。
※ 本記事の数字は、国土交通省「不動産情報ライブラリ」の取引価格情報を当サイトが条件で絞り込んで集計したものです。中央値は条件に当てはまる取引を価格順に並べたときの中央の値であり、個別の物件の価格でも、確定的な査定額でもありません。当サイトは宅地建物取引業を行いません。実際の売却の手続き・査定は提携する専門業者が行います。税制・法令の適用可否は個別事情により異なりますので、税務署・税理士・司法書士等の専門家にご確認ください。
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