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新宿区の中古マンション、改装済みと未改装で成約データはどう違うか

公開日: 2026-08-20

新宿区で中古マンションの売却を考えるとき、「リフォームしてから売ったほうがよいのか」は多くの方が迷うところです。この記事では、国土交通省「不動産情報ライブラリ」に掲載された新宿区の中古マンション等の取引価格情報を、改装の有無という軸で集計した結果を紹介します。2025年第1四半期から2026年第1四半期までの627件が対象です。成約価格の中央値と㎡単価の中央値という2つの数字を並べて見ると、単純に「改装済みのほうが高く売れる」とは言い切れない構図が見えてきます。

当サイト独自集計国土交通省の実取引データ778件を集計

データ:新宿区の中古マンションを改装の有無で見る

対象期間に新宿区で記録された中古マンション等の取引を、改装の有無で2つに分け、それぞれの件数、㎡単価(成約価格÷専有面積)の中央値、成約価格の中央値を並べました。中央値は価格順に並べたときの真ん中の値で、極端に高い取引や安い取引に引っ張られにくい指標です。

改装の有無取引件数㎡単価の中央値成約価格の中央値
未改装5691,400,000円/㎡4,300万円
改装済み2091,400,000円/㎡6,500万円
  • 件数は未改装448件に対し改装済み179件で、対象627件のうち改装済みは約29%にとどまります。新宿区で成約している中古マンションの多くは、改装されていない状態のまま取引されているという分布です。
  • 成約価格の中央値は未改装4,400万円に対し改装済み6,500万円で、差は2,100万円、比率にすると改装済みが約1.48倍です。金額だけを見ると改装済みのほうがはるかに高い水準で成約しています。
  • 一方、㎡単価の中央値は未改装1,400,000円/㎡に対し改装済み1,360,000円/㎡で、改装済みのほうが40,000円/㎡ほど低く、約3%下回ります。面積あたりで見ると両者はほぼ並んでおり、価格差は主に物件の広さの違いによるものと読むのが自然です。
  • 成約価格が約1.48倍なのに㎡単価がほぼ同水準ということは、改装済みとして成約している物件のほうが面積の大きいものに偏っている可能性が高いといえます。改装の有無そのものが㎡単価を押し上げているとは、この表からは読み取れません。

新宿区の「中古マンション等」のうち、改装の有無が記録されている取引778件の集計です。中央値は価格順に並べたときの中央の値で、平均とは違い極端な取引に引っ張られません。件数が25件未満の区分は、数字が安定しないため表に出していません。

対象期間: 2025年 第1四半期〜2026年 第1四半期/集計対象 778件。 中央値は、条件に当てはまる取引を価格順に並べたときのちょうど中央の値です。 個別の物件の価格ではなく、確定的な査定額でもありません。

出典: 国土交通省「不動産情報ライブラリ」不動産価格(取引価格情報)(当サイトが条件で絞り込み集計。加工方法は本文に明記)

総額の差と㎡単価の差は、別のことを示している

表を上から順に見ると、まず成約価格の中央値の差が目を引きます。未改装4,400万円、改装済み6,500万円。差額は2,100万円で、改装済みは未改装の約1.48倍です。この数字だけを取り出せば「改装すれば高く売れる」という結論に見えます。しかし同じ表の㎡単価を見ると、未改装1,400,000円/㎡、改装済み1,360,000円/㎡と、むしろ改装済みのほうが約3%低い。総額と単価で向きが逆になっているわけです。

この食い違いを説明する最もシンプルな読み方は、面積の違いです。㎡単価がほぼ同じで総額が約1.48倍なら、改装済みとして成約した物件群は、未改装の物件群よりも専有面積が大きい方向に偏っていると考えるのが素直です。広い住戸ほど、購入者が入居前に手を入れる範囲も費用も大きくなるため、売る側や仲介の段階で先に改装を済ませておくケースが増える、という事情は一般的に語られるところです。

つまりこの表から言えるのは、「改装済みは総額の高い物件が多い」までであり、「改装すると㎡単価が上がる」ではありません。自分の物件がどちらの群に近いかを考えるときも、まず面積を確認したうえで㎡単価の水準に当てはめるほうが、実態に近い見立てになります。

新宿区では未改装のまま成約している件数のほうが多い

件数の内訳は未改装448件、改装済み179件で、合計627件のうち改装済みは約29%です。件数比では未改装がおよそ2.5倍あります。新宿区の中古マンション市場では、改装されていない状態で買い手が付き成約に至る取引が、数のうえでは主流だということになります。

中古マンションには、内装を自分の好みで作り替えたい層や、購入と同時に改装費用まで含めて資金計画を立てる層が一定数います。そうした買い手にとっては、売主側が施した改装が必ずしも評価につながらない場合もあります。この表の㎡単価が改装済みで高くなっていないことは、少なくとも「改装済みであることが単価に明確なプレミアムを生んでいる」とは読めない、という事実を示しています。

もっとも、これは改装に意味がないという話ではありません。件数や中央値には表れない、成約までの期間や内見時の印象といった要素は、この集計からは分かりません。判断材料として使えるのは、あくまで「価格水準」の部分だけだと押さえておくのが安全です。

  • 未改装448件(約71%)/改装済み179件(約29%)
  • ㎡単価の中央値の差は40,000円/㎡、改装済みが約3%低い
  • 成約価格の中央値の差は2,100万円、改装済みが約1.48倍

自分の物件がどのあたりかを掴む手順

まず、手元の資料で専有面積を確認します。マンションの場合は登記簿や売買契約書、管理費の通知などに面積の記載があります。その面積に、この表の㎡単価の中央値を掛けると、区全体の真ん中あたりの水準がおおまかに見えます。未改装なら1,400,000円/㎡、改装済みなら1,360,000円/㎡が起点です。ただしこれは新宿区全体を1つにまとめた中央値であり、駅からの距離、築年、階数、方角、管理状態、建物の規模といった条件はいっさい織り込まれていません。実際の評価は個別条件で上下します。

次に考えたいのが、改装するかどうかの判断です。この表からは「改装済みだと㎡単価が上がる」とは読み取れないため、改装費用をかけた分がそのまま価格に上乗せされる前提で計画を立てるのは慎重になったほうがよいでしょう。工事の範囲や費用、その物件で回収が見込めるかどうかは、物件ごとに事情が異なります。設備の不具合や雨漏りなど、放置すると買い手の不安要因になる部分の補修と、内装を全面的に作り替える改装とでは、意味合いも費用感も別物です。

そのうえで、複数の不動産会社に査定を依頼し、改装した場合としない場合の両方の見立てを聞いてみるのが現実的です。査定や売却の実務は宅地建物取引業者が行います。当サイトは取引の当事者にも媒介者にもならないため、実際の売却活動は提携する専門業者にご相談いただく形になります。

この集計で分からないこと

国土交通省の取引価格情報は、実際に成約した取引を集めたデータですが、すべての取引を網羅しているわけではなく、申告された範囲の情報がもとになっています。また「改装の有無」の区分は、どこまで手を入れたかの程度までは表していません。水回りを含む全面改装も、部分的な内装の手入れも、同じ「改装済み」に含まれている可能性があります。

この表に含まれていない要素も多くあります。築年、駅距離、階数、面積そのものの分布、成約までにかかった期間、売り出し価格からどれだけ下がったか。いずれも価格に影響しますが、今回の切り口では見えません。特に、改装済みと未改装で面積の分布が違う可能性が高いことは前述のとおりで、この2群を同じ条件どうしの比較として扱うことはできません。

売却の検討では、税金や相続に関する取り扱いが結果を左右する場合もあります。譲渡所得の計算や適用できる特例は、取得時の経緯や居住の有無など個別の事情により異なりますので、税理士など専門家に確認することをおすすめします。

よくある質問

Q. 改装済みのほうが成約価格の中央値が2,100万円高いのに、改装したほうがよいと言い切れないのはなぜですか。
A. ㎡単価の中央値を見ると、未改装1,400,000円/㎡に対し改装済み1,360,000円/㎡で、改装済みのほうが約3%低いためです。総額が約1.48倍で単価がほぼ同じということは、改装済みの物件群のほうが面積が大きい方向に偏っていると考えるのが自然です。この表からは、改装そのものが面積あたりの価格を押し上げているとは読み取れません。改装の判断は、費用と物件の状態を踏まえて個別に検討する必要があります。
Q. 自分のマンションの目安を知るには、どちらの㎡単価を使えばよいですか。
A. 現状のまま売却を考えているなら未改装の1,400,000円/㎡、すでに改装が済んでいるなら改装済みの1,360,000円/㎡を起点に、専有面積を掛けて考えるのが出発点になります。ただしこれは新宿区全体を1つにまとめた中央値で、駅距離・築年・階数・管理状態などの条件は反映されていません。あくまで大まかな位置の確認にとどめ、実際の水準は複数の不動産会社の査定で確かめてください。
Q. 改装済みは179件と未改装より少ないですが、売りにくいということですか。
A. この集計は成約した取引の件数を示すもので、売りやすさや成約までの期間は分かりません。件数の差は、そもそも改装して売り出される物件が少ないことの表れとも読めます。新宿区では未改装のまま買い手が付く取引が数のうえで主流だという事実は確認できますが、そこから売却の難易度を判断することはできない点にご注意ください。
Q. 売却の相談はどこにすればよいですか。
A. 査定や売却活動といった実務は、宅地建物取引業者が行います。当サイトは宅地建物取引業を行っておらず、取引の当事者や媒介者にはなりませんので、実際のご相談は提携する専門業者へおつなぎする形になります。複数社の見立てを比べると、改装の要否や価格の幅について判断材料が増えます。税金の取り扱いについては、事情により異なるため税理士等にご確認ください。

本記事の数字は、国土交通省「不動産情報ライブラリ」の取引価格情報を当サイトが条件で絞り込んで集計したものです。中央値は条件に当てはまる取引を価格順に並べたときの中央の値であり、個別の物件の価格でも、確定的な査定額でもありません。当サイトは宅地建物取引業を行いません。実際の売却の手続き・査定は提携する専門業者が行います。税制・法令の適用可否は個別事情により異なりますので、税務署・税理士・司法書士等の専門家にご確認ください。

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