港区の中古マンション、RCとSRCで単価が約1.55倍違う
公開日: 2026-08-20
港区で中古マンションの売却を考えるとき、まず知りたいのは「自分の物件はどのあたりの水準か」だと思います。この記事では、国土交通省の取引価格情報をもとに、港区の中古マンション等の成約データを「建物構造」で切り分けた集計表を読み解きます。RC(鉄筋コンクリート造)とSRC(鉄骨鉄筋コンクリート造)で、㎡単価の中央値と成約価格の中央値がどれだけ違うのか。そして、その差をそのまま自分の物件に当てはめてよいのか。表に出ている数字だけを手がかりに、次に何を調べればよいかまで整理します。
データ:港区の中古マンションを建物構造で見る
国土交通省「不動産情報ライブラリ」の不動産価格(取引価格情報)から、港区・中古マンション等の2025年第1四半期〜2026年第1四半期の取引を抽出し、建物構造ごとに件数・㎡単価の中央値・成約価格の中央値を集計しました。合計2,479件で、件数が少ない区分は除いています。
| 建物構造 | 取引件数 | ㎡単価の中央値 | 成約価格の中央値 |
|---|---|---|---|
| RC | 1,912 | 2,172,222円/㎡ | 13,000万円 |
| SRC | 716 | 1,405,882円/㎡ | 6,000万円 |
- ㎡単価の中央値はRCが2,166,667円/㎡、SRCが1,400,000円/㎡で、その差は約766,667円/㎡。RCはSRCの約1.55倍、逆に見るとSRCはRCの約65%の水準にあたります。単価の物差しが構造によってはっきり分かれていることが分かります。
- 成約価格の中央値はRCが14,000万円、SRCが6,000万円で差は8,000万円、倍率は約2.3倍です。㎡単価の差(約1.55倍)より価格の差のほうが大きく開いており、単価以外の要素、たとえば取引された住戸の広さの違いも効いている可能性があります。
- 件数はRCが1,813件、SRCが666件で、合計2,479件のうちRCが約73%を占めます。RCはSRCの約2.7倍の件数で、港区の中古マンション取引の主流はRCであることが読み取れます。SRCは件数が少ないぶん、個別の物件差が中央値に表れやすい点に注意が必要です。
※ 港区の「中古マンション等」のうち、建物構造が記録されている取引2,628件の集計です。中央値は価格順に並べたときの中央の値で、平均とは違い極端な取引に引っ張られません。件数が25件未満の区分は、数字が安定しないため表に出していません。
対象期間: 2025年 第1四半期〜2026年 第1四半期/集計対象 2,628件。 中央値は、条件に当てはまる取引を価格順に並べたときのちょうど中央の値です。 個別の物件の価格ではなく、確定的な査定額でもありません。
出典: 国土交通省「不動産情報ライブラリ」不動産価格(取引価格情報)(当サイトが条件で絞り込み集計。加工方法は本文に明記)
㎡単価と成約価格、どちらの差が大きいかを見比べる
まず㎡単価(成約価格を専有部分の面積で割った値)の中央値を見ると、RCが2,166,667円/㎡、SRCが1,400,000円/㎡です。中央値とは、価格順に並べたときの真ん中の値で、極端に高い取引や安い取引に引っ張られにくい指標です。差は約766,667円/㎡、倍率にすると約1.55倍で、SRCはRCの約65%の水準にあたります。
一方、成約価格の中央値はRCが14,000万円、SRCが6,000万円。差は8,000万円、倍率は約2.3倍です。つまり、単価の開き(約1.55倍)よりも、実際に成約した金額の開き(約2.3倍)のほうが大きくなっています。
この二つの倍率のずれは、単価そのものの差だけでは説明できません。取引された住戸の広さがRC区分とSRC区分で異なっていれば、単価の差より価格の差が大きく出ます。自分の物件を当てはめるときは、価格の中央値より先に㎡単価の中央値を見て、そこに自分の専有面積を掛けるという順序のほうが、ずれが小さくなります。
件数の偏りが示すもの RCが約7割、SRCが約3割
件数はRCが1,813件、SRCが666件。合計2,479件のうちRCが約73%、SRCが約27%で、RCはSRCの約2.7倍です。港区で成約している中古マンション等の多くがRC区分に集まっている、という構図です。
件数が多い区分は、中央値がその区分全体の傾向をとらえやすくなります。逆にSRCは母数が小さいため、立地や規模、住戸タイプのばらつきが中央値の位置に影響しやすい面があります。SRC区分の物件をお持ちの方は、この表の6,000万円という数字を「自分の物件の目安」と受け取るより、「同じ構造でこれくらいの幅の取引がある」という程度の手がかりとして扱うほうが安全です。
- RC:1,813件(構成比 約73%)
- SRC:666件(構成比 約27%)
- 合計:2,479件
構造の違いがそのまま価格差ではない、という前提
RCとSRCは建物の骨組みの工法の違いで、一般にSRCは鉄骨と鉄筋コンクリートを組み合わせた構造、RCは鉄筋コンクリートによる構造です。どちらが優れているという単純な話ではなく、建てられた時期の技術動向や、建物の規模・階数によって選ばれ方が変わります。
そのため、この表に出ている差は「構造そのものの値打ちの差」というより、その構造が採用されやすかった建物の性格の差が反映されている可能性があります。築年、専有面積、階数、最寄り駅からの距離、住戸の向き、管理状態、リフォームの履歴など、価格に効く要素は構造以外にいくつもあります。構造だけで切った表は、あくまで最初の一枚目の地図です。
裏を返せば、この表の使い道は明確です。自分の物件がRCかSRCかを確認し、該当する区分の㎡単価の中央値と自分の想定を比べて、上か下か、どの程度離れているかを掴む。ずれの理由を築年や面積、立地で説明できるかを次に確かめる、という進め方になります。
次に調べる順番 自分の物件を表の上に置く手順
最初にやることは、手元の資料で建物構造を確定させることです。登記事項証明書や分譲時のパンフレット、管理規約、重要事項に関する調査報告書などに構造の記載があります。ここが分からないまま単価を比べても、どちらの列を見るべきかが決まりません。
次に、自分の専有面積に該当区分の㎡単価の中央値を掛けて、ざっくりした位置を出します。RCなら2,166,667円/㎡、SRCなら1,400,000円/㎡が出発点です。これは相場の予測ではなく「中央値の水準に並べたらどのあたりか」を測るための計算にすぎません。そこから、築年が新しいか古いか、駅からの距離、階数や向き、直近の修繕や管理組合の状況といった個別事情で上下に振れます。
そのうえで、実際の値付けは提携の不動産会社など専門業者による査定で確認するのが確実です。相続で取得した物件、離婚に伴う財産分与、長く空き家になっている物件などは、名義や税の取り扱いが絡み、手続きの順番が変わる場合があります。税金や登記の判断は個別の事情により異なりますので、税理士・司法書士など専門家への確認を挟んでください。
- 建物構造(RC/SRC)を登記事項証明書やパンフレットで確認する
- 専有面積 × 該当区分の㎡単価の中央値で、おおまかな位置を出す
- 築年・駅距離・階数・向き・管理状態など、ずれの理由になりそうな条件を書き出す
- 相続・離婚・空き家など事情がある場合は、名義や税の確認を先に進める
よくある質問
- Q. 自分の物件はSRCですが、表の6,000万円が目安になりますか。
- A. 表の6,000万円はSRC区分666件の成約価格の中央値で、広さや築年、立地がばらばらな取引の真ん中の値です。ご自身の物件の目安として使うより、㎡単価の中央値1,400,000円/㎡にご自身の専有面積を掛けて位置を掴むほうがずれが小さくなります。そのうえで個別条件による上下は専門業者の査定で確認してください。
- Q. RCのほうが高く売れるということですか。
- A. この集計は構造ごとの実際の成約データを並べたもので、構造そのものが価格を決めていることを示すものではありません。㎡単価の中央値はRCが2,166,667円/㎡、SRCが1,400,000円/㎡と約1.55倍の差がありますが、その背景には築年や規模、立地といった別の要素が重なっている可能性があります。構造を変えられるものでもないため、判断材料としては個別条件のほうが実務的です。
- Q. 成約価格の差が約2.3倍なのに、㎡単価の差が約1.55倍なのはなぜですか。
- A. ㎡単価は成約価格を専有面積で割った値なので、区分ごとに取引された住戸の広さが違えば、価格の倍率と単価の倍率はずれます。今回はRCの成約価格中央値14,000万円がSRCの6,000万円の約2.3倍で、単価の約1.55倍より開きが大きい形です。広さの違いが影響している可能性があり、面積をそろえて見るなら㎡単価のほうが比べやすい指標です。
- Q. この表だけで売り出し価格を決めてよいでしょうか。
- A. この表は建物構造という一つの軸だけで切った集計で、築年、専有面積、駅からの距離、階数、管理状態などは区別されていません。おおまかな位置を掴む出発点としては有効ですが、売り出し価格の設定は同じマンション内や近隣の類似事例を踏まえた個別の査定が必要です。査定や売却の実務は提携の不動産会社が行いますので、複数の見立てを比べて判断してください。
※ 本記事の数字は、国土交通省「不動産情報ライブラリ」の取引価格情報を当サイトが条件で絞り込んで集計したものです。中央値は条件に当てはまる取引を価格順に並べたときの中央の値であり、個別の物件の価格でも、確定的な査定額でもありません。当サイトは宅地建物取引業を行いません。実際の売却の手続き・査定は提携する専門業者が行います。税制・法令の適用可否は個別事情により異なりますので、税務署・税理士・司法書士等の専門家にご確認ください。
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