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港区の中古マンション、改装済みと未改装で単価は逆転していた

公開日: 2026-08-20

「リフォームしてから売ったほうが高く売れるのか」は、港区でマンションの売却を考える人からよく出る問いです。この記事では、国土交通省の取引価格情報をもとに、港区の中古マンション等の成約データを「改装の有無」で分けて集計した結果を示します。未改装373件、改装済み196件、合計569件。㎡単価の中央値と成約価格の中央値という2つの数字を並べると、この2つが逆の順序になっていることが分かります。なぜそうなるのか、そして自分の物件がどちらの区分に近いのかを掴むために何を調べればよいのかを、数字に即して整理します。

当サイト独自集計国土交通省の実取引データ695件を集計

データ:港区の中古マンションを改装の有無で見る

対象は2025年第1四半期から2026年第1四半期に港区で成約した中古マンション等569件です。取引データに記録された「改装の有無」で未改装・改装済みに分け、それぞれ㎡単価(成約価格÷専有面積)の中央値と成約価格の中央値を出しました。件数が少ない区分は除いています。

改装の有無取引件数㎡単価の中央値成約価格の中央値
未改装4622,000,000円/㎡9,000万円
改装済み2331,875,000円/㎡11,000万円
  • ㎡単価の中央値は未改装が2,000,000円/㎡、改装済みが1,867,500円/㎡で、未改装のほうが約7%高くなっています。単価だけを見ると「改装済みだから高い」という関係は、このデータでは表れていません。
  • 一方で成約価格の中央値は未改装9,600万円、改装済み11,000万円で、改装済みが1,400万円ほど高いです。単価は低いのに総額は高いという組み合わせは、改装済み区分に面積の大きい住戸が相対的に多く含まれている可能性を示します。
  • 件数は未改装373件(全体の約66%)、改装済み196件(約34%)。港区の成約は未改装のまま売られているケースが多数を占め、改装済みでの売却はおよそ3件に1件という構成です。

港区の「中古マンション等」のうち、改装の有無が記録されている取引695件の集計です。中央値は価格順に並べたときの中央の値で、平均とは違い極端な取引に引っ張られません。件数が25件未満の区分は、数字が安定しないため表に出していません。

対象期間: 2025年 第1四半期〜2026年 第1四半期/集計対象 695件。 中央値は、条件に当てはまる取引を価格順に並べたときのちょうど中央の値です。 個別の物件の価格ではなく、確定的な査定額でもありません。

出典: 国土交通省「不動産情報ライブラリ」不動産価格(取引価格情報)(当サイトが条件で絞り込み集計。加工方法は本文に明記)

単価と総額で順序が入れ替わる理由を押さえる

この表でまず目を引くのは、2つの中央値が逆向きになっている点です。㎡単価の中央値は未改装2,000,000円/㎡に対して改装済み1,867,500円/㎡。差は132,500円/㎡で、未改装が約7%上回ります。ところが成約価格の中央値は未改装9,600万円、改装済み11,000万円と、改装済みが1,400万円ほど高い。単価で負けて総額で勝つという形です。

この組み合わせが起きる典型的な理由は、面積の分布が違うことです。㎡単価は面積で割った数字なので広さの影響が消えますが、成約価格は広ければ大きくなります。改装済み区分の成約価格中央値が高いのに単価中央値が低いということは、改装済みの側に面積の大きい住戸が相対的に多く含まれていると読むのが自然です。この集計表には面積そのものの数字は含まれていないため、ここから先は面積帯や間取り別の集計で確かめる必要があります。

もう一つ押さえたいのは、改装済みかどうかは立地とセットで動く要素ではないことです。港区の中古マンションは駅距離、築年、建物のグレードといった条件で単価が大きく変わり、改装の有無はそのうちの一要素にすぎません。単価中央値の約7%という差は、それらの条件の違いが混ざった結果として現れた差であり、改装工事そのものの効果を切り出した数字ではありません。

「改装すれば単価が上がる」とは読めないデータ

売却前のリフォームを検討している人にとって、この表の読み方で大事なのは因果関係を早合点しないことです。改装済み196件の㎡単価中央値が未改装373件を下回っているからといって、「改装すると単価が下がる」わけではありません。逆に、改装済みの成約価格中央値が高いからといって「改装すれば1,400万円上がる」わけでもありません。どちらも、条件の異なる物件群を集めた中央値の比較にすぎないためです。

実務的に言えることは限られます。港区の成約では未改装のまま取引されるケースが全体の約66%を占めており、改装せずに売る選択が例外ではないという事実です。買主側が自分の好みで内装を入れ替える前提で購入する場合もあり、この価格帯では特にその傾向が語られます。ただし、それが単価にどう跳ね返るかは物件ごとの条件によって異なるため、一般化した数値で示すことはできません。

改装費用をかけるかどうかを判断するなら、費用の見積もりと、その物件で見込める価格レンジの両方を並べて比較するのが順序です。この表はレンジの当たりを付ける材料にはなりますが、個別の判断材料にはなりません。査定や工事の妥当性については、提携の専門業者など実務を扱う相手に相談したうえで検討してください。

  • 未改装373件(約66%)/改装済み196件(約34%)という構成
  • ㎡単価中央値の差は132,500円/㎡(未改装が約7%上)
  • 成約価格中央値の差は1,400万円(改装済みが上)
  • 2つの差が逆向きなので、単価だけ・総額だけの比較は誤読につながる

自分の物件がどのあたりかを掴む手順

最初にやるべきは、手元の情報で自分の物件の㎡単価を出してみることです。過去の購入価格ではなく、専有面積を分母にした概算で構いません。港区の未改装の中央値である2,000,000円/㎡、改装済みの1,867,500円/㎡と並べてみると、自分の物件が中央値より上か下かの大まかな位置が見えます。中央値は真ん中の値なので、上にも下にも同じ件数だけ取引があることを忘れないでください。

次に、この記事の切り口では見えない軸で確かめます。面積帯・間取り、築年帯、駅からの距離、そして所在エリアです。港区は同じ区内でも地区によって単価水準が違い、また改装済み区分の総額が高い背景として面積差が疑われるため、面積帯別に見直すと像がはっきりします。改装の有無という1つの軸だけで結論を出さないことが、誤読を避ける一番の方法です。

最後に、売却の事情によって優先順位が変わる点も押さえておきましょう。相続で取得した住戸を売る場合、空き家の管理費用や税務上の取り扱いが判断に絡むことがあり、住み替えなら入居時期との兼ね合いが出てきます。取得費や特例の適用可否は個別の事情により異なるため、税務は税理士、価格や引渡し条件の実務は提携の専門業者に確認するのが確実です。

よくある質問

Q. 改装済みのほうが㎡単価が低いのは、リフォーム代が価格に乗っていないということですか。
A. このデータからはそう言い切れません。㎡単価の中央値は未改装2,000,000円/㎡、改装済み1,867,500円/㎡ですが、これは条件の異なる物件群それぞれの真ん中の値を比べたものです。立地・築年・面積の違いが混ざっているため、改装工事の効果だけを取り出した比較にはなっていません。改装費が価格にどう反映されるかは物件ごとに異なります。
Q. 未改装で売るか、直してから売るかはどう決めればよいですか。
A. この表だけでは判断できません。港区の成約では未改装が373件、改装済みが196件で未改装が多数派ですが、それは「直さないほうが得」という意味ではありません。工事費の見積もりと、その物件で見込める価格レンジ、引渡しまでにかけられる期間の3点を並べて比べるのが順序です。査定や工事範囲の妥当性は、提携の専門業者に相談したうえで検討することをおすすめします。
Q. 成約価格の中央値が改装済みで1億1000万円ということは、それ以下では売れないのでしょうか。
A. そうではありません。中央値は価格順に並べた真ん中の値なので、改装済み196件のうち約半数はそれより低い価格で成約しています。同じく未改装の9,600万円も、下側に同じだけの件数があるという意味です。面積や立地の条件が変われば水準も変わるため、自分の物件の位置は面積帯や築年帯など別の軸でも確かめてください。
Q. この集計に含まれる「改装の有無」はどう判定されているのですか。
A. 国土交通省が公表する不動産価格(取引価格情報)に記録された区分をそのまま使っています。工事の範囲や時期の詳細は含まれておらず、水回りだけの部分的な改修と全面的な内装更新が同じ区分に入る場合があります。したがって「改装済み」の中身は一様ではなく、この点も単価差をそのまま工事の効果と読めない理由の一つです。

本記事の数字は、国土交通省「不動産情報ライブラリ」の取引価格情報を当サイトが条件で絞り込んで集計したものです。中央値は条件に当てはまる取引を価格順に並べたときの中央の値であり、個別の物件の価格でも、確定的な査定額でもありません。当サイトは宅地建物取引業を行いません。実際の売却の手続き・査定は提携する専門業者が行います。税制・法令の適用可否は個別事情により異なりますので、税務署・税理士・司法書士等の専門家にご確認ください。

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