港区の中古マンション、築年数で㎡単価はどう変わるか(2,514件)
公開日: 2026-08-20
港区で中古マンションの売却を考えるとき、最初につまずくのが「うちの築年数だと、いくらくらいなのか」という問いです。この記事では、国土交通省が公開している実際の取引価格情報をもとに、港区の中古マンション2,514件を築年数の区分ごとに集計した表を読み解きます。㎡単価の中央値と成約価格の中央値、そして各区分の件数という3つの数字から、自分の物件がどのあたりに位置するのか、そして次にどんな情報を集めればよいのかを整理します。数字は集計表に出てくる値と、そこから計算できる差や比率だけを使っています。
データ:港区の中古マンションを築年数で見る
対象は2025年第1四半期から2026年第1四半期の港区・中古マンション等の取引で、合計2,514件です。築年数を6つの区分に分け、区分ごとに㎡単価(成約価格÷専有面積)の中央値と成約価格の中央値、件数を並べました。中央値は価格順に並べたときの真ん中の値で、極端な取引に引っ張られにくい指標です。件数が少ない区分は除いています。
| 建築年 | 取引件数 | ㎡単価の中央値 | 成約価格の中央値 |
|---|---|---|---|
| 2021年以降 | 258 | 3,354,166円/㎡ | 22,000万円 |
| 2011〜2020年 | 536 | 2,558,442円/㎡ | 15,000万円 |
| 2001〜2010年 | 970 | 2,000,000円/㎡ | 13,000万円 |
| 1991〜2000年 | 234 | 1,750,000円/㎡ | 9,000万円 |
| 1981〜1990年 | 187 | 1,180,000円/㎡ | 6,000万円 |
| 1980年以前 | 480 | 1,192,857円/㎡ | 4,900万円 |
- ㎡単価の中央値は2021年以降が3,333,333円/㎡で最も高く、1980年以前は1,166,667円/㎡です。その差は約2.9倍。成約価格の中央値でも21,500万円と5,000万円で約4.3倍の開きがあり、築年数の区分によって想定される水準がかなり違うことが分かります。
- 件数がもっとも多いのは2001〜2010年の909件で、2,514件全体の約36%を占めます。次が2011〜2020年の509件(約20%)、1980年以前の451件(約18%)。一方で2021年以降は244件(約10%)、1991〜2000年は223件、1981〜1990年は178件で、区分ごとの母数の厚みには差があります。
- ㎡単価は必ずしも古い順に一段ずつ下がるわけではありません。1981〜1990年の1,173,504円/㎡と1980年以前の1,166,667円/㎡はほぼ同水準で、差は1%未満です。一方、1991〜2000年の1,740,000円/㎡と1981〜1990年の間には約33%の落差があり、下がり方が一様でないことが読み取れます。
- ㎡単価が高い区分ほど成約価格も高い、という関係は概ね成り立ちますが、2011〜2020年(㎡単価2,545,455円、価格15,000万円)と2001〜2010年(㎡単価2,000,000円、価格14,000万円)を比べると、㎡単価の差は約27%あるのに価格の差は約7%にとどまります。取引されている住戸の広さの傾向が区分ごとに違うことを示しています。
※ 港区の「中古マンション等」のうち、建築年が記録されている取引2,665件の集計です。中央値は価格順に並べたときの中央の値で、平均とは違い極端な取引に引っ張られません。件数が25件未満の区分は、数字が安定しないため表に出していません。
対象期間: 2025年 第1四半期〜2026年 第1四半期/集計対象 2,665件。 中央値は、条件に当てはまる取引を価格順に並べたときのちょうど中央の値です。 個別の物件の価格ではなく、確定的な査定額でもありません。
出典: 国土交通省「不動産情報ライブラリ」不動産価格(取引価格情報)(当サイトが条件で絞り込み集計。加工方法は本文に明記)
㎡単価の中央値は新しい区分ほど高く、最大で約2.9倍の差
表を㎡単価の中央値が高い順に並べると、2021年以降が3,333,333円/㎡、2011〜2020年が2,545,455円/㎡、2001〜2010年が2,000,000円/㎡、1991〜2000年が1,740,000円/㎡、1981〜1990年が1,173,504円/㎡、1980年以前が1,166,667円/㎡です。もっとも高い区分ともっとも低い区分の差は約2.9倍。同じ港区の中古マンションという枠の中でも、築年数の区分が違えば1㎡あたりで想定される水準は大きく変わります。
ただし下がり方は一定ではありません。2011〜2020年から2001〜2010年への下落は約21%、2001〜2010年から1991〜2000年へは約13%です。ところが1991〜2000年から1981〜1990年へは約33%と落差が大きくなり、そこから1980年以前へはほぼ横ばい(差1%未満)です。段差の大きいところと、ほとんど差がないところが混在している、という読み方になります。
一般に、建築時期によって建物の設備仕様や耐震に関する基準の適用が異なり、住宅ローンの取り扱いや管理・修繕の履歴の評価も変わってきます。こうした事情が区分ごとの差として表れることはありますが、それが具体的に何%の差になるかはこの表からは分かりません。あくまで「区分の間に段差がある/ない」という事実として受け止めるのが安全です。
- 2021年以降:3,333,333円/㎡(244件)
- 2011〜2020年:2,545,455円/㎡(509件)
- 2001〜2010年:2,000,000円/㎡(909件)
- 1991〜2000年:1,740,000円/㎡(223件)
- 1981〜1990年:1,173,504円/㎡(178件)/1980年以前:1,166,667円/㎡(451件)
成約価格の中央値と㎡単価を突き合わせると、広さの傾向の違いが見える
成約価格の中央値は、2021年以降が21,500万円、2011〜2020年が15,000万円、2001〜2010年が14,000万円、1991〜2000年が9,000万円、1981〜1990年が6,000万円、1980年以前が5,000万円です。最高と最低で約4.3倍。㎡単価の差(約2.9倍)よりも開きが大きくなっています。
ここで注目したいのは2011〜2020年と2001〜2010年の並びです。㎡単価では2011〜2020年が約27%高いのに、成約価格の中央値では15,000万円と14,000万円で差は約7%にとどまります。㎡単価が高いのに総額の差が小さいということは、取引されている住戸の広さの傾向が区分によって違うことを示しています。逆に1991〜2000年と1981〜1990年は、㎡単価の差が約33%、価格の差が9,000万円と6,000万円で約33%とほぼ同じ比率で、広さの傾向が近いことがうかがえます。
この点は売主にとって実務的な意味があります。自分の物件を表に当てはめるとき、㎡単価の中央値だけを見て面積を掛けると、成約価格の中央値とはずれた数字が出ることがあります。中央値は区分ごとに独立して計算されるため、㎡単価の中央値×面積が必ず成約価格の中央値になるわけではないからです。両方の列を見比べて、自分の物件が広さの面でその区分の中央あたりなのか、それより広い/狭いのかを意識しておくと読み違いを防げます。
件数の偏りを踏まえて、自分の物件がどの区分に入るかを確かめる
件数を見ると、2001〜2010年が909件で全体の約36%を占め、2011〜2020年の509件(約20%)と合わせると2001年以降の2つの区分で半数を超えます。1980年以前も451件(約18%)と厚みがあり、この期間の港区では築年数の幅が広い取引が同時に動いていることが分かります。一方、2021年以降は244件、1991〜2000年は223件、1981〜1990年は178件で、上位の区分に比べると母数は小さめです。
母数が小さい区分の中央値は、少数の取引の内容によって印象が動きやすくなります。特に1981〜1990年(178件)と1991〜2000年(223件)は、間に約33%という大きな段差がある一方で件数はどちらも少なめです。この段差をそのまま「築年による下落幅」と読むのではなく、母数の違いも含んだ数字として扱うのが無難です。
まずやることは単純です。自分の物件の建築年を確認し、6つの区分のどこに入るかを特定する。次に、専有面積を確認して、その区分の㎡単価の中央値と成約価格の中央値の両方に照らしてみる。この2つで、自分の物件が表のどのあたりに位置するのかの見当がつきます。そこから先の具体的な査定額は、階数・向き・眺望、管理組合の状況、修繕積立金の水準、リフォームの有無といった個別要素で動きますので、実際の査定は不動産の専門業者に確認してください。
- 建築年を確認して6区分のどこに入るかを特定する
- 専有面積を確認し、㎡単価の中央値と成約価格の中央値の両方に照らす
- 同じマンション内・近隣の直近の売り出し状況を調べる
- 管理費・修繕積立金と大規模修繕の履歴・予定を管理組合に確認する
- 相続・住み替えなど事情に応じた税務の扱いは税理士等に確認する
表では分からないことと、専門家に聞くべきこと
この表が示しているのは、築年数という1つの軸で切ったときの中央値だけです。港区は地域によって立地条件の幅が広く、同じ築年数区分の中にも高い取引と低い取引が含まれています。中央値は真ん中の値なので、自分の物件がその区分の中で上寄りなのか下寄りなのかは、この表からは判断できません。エリア別や面積別といった別の軸で切ったデータも併せて見る必要があります。
また、売却にあたっては価格以外の論点があります。取得したときの費用が分かる資料が残っているか、居住用として使っていた期間があるか、相続で取得したものか。こうした事情によって税金の取り扱いが変わる場合がありますが、個別の条件で結論が違うため、税理士や税務署に確認するのが確実です。売却の進め方や査定については、提携している不動産の専門業者が対応します。当サイトは取引の当事者や仲介者ではなく、データの読み方を整理する立場です。
数字を見て焦る必要はありません。この表の役目は、自分の物件がどのあたりの区分に属し、次に何を調べるべきかの見当をつけることです。区分を特定して面積を確認したら、あとは個別の条件を1つずつ確認していく作業になります。
よくある質問
- Q. ㎡単価の中央値に自分の物件の面積を掛ければ、売却価格の目安になりますか
- A. 目安の1つにはなりますが、そのまま当てはまるとは限りません。㎡単価の中央値と成約価格の中央値は区分ごとに別々に計算されているため、㎡単価の中央値×面積が成約価格の中央値と一致するわけではありません。実際、2011〜2020年と2001〜2010年では㎡単価の差が約27%ある一方、成約価格の中央値の差は約7%にとどまっています。両方の列を見比べ、最終的な価格は専門業者の査定で確認してください。
- Q. 1981〜1990年と1980年以前の㎡単価がほぼ同じなのはなぜですか
- A. 表からはその理由は読み取れません。分かるのは、1,173,504円/㎡と1,166,667円/㎡で差が1%未満という事実だけです。一方で1991〜2000年との間には約33%の段差があります。一般に建築時期によって設備仕様や耐震に関する基準の適用、住宅ローンの取り扱いが異なることはありますが、それがこの数字の差をどれだけ説明するかは本集計では判断できません。件数も178件と451件で母数の条件が違う点にも留意が必要です。
- Q. 築年数が古いと売却は難しいのでしょうか
- A. この集計からは、そう言い切れる材料はありません。1980年以前の区分は451件で全体の約18%を占め、2011〜2020年の509件に次ぐ件数です。㎡単価の中央値は1,166,667円/㎡で他の区分より低い水準ですが、取引そのものは相当数あります。価格帯の想定は区分によって違う、というのが表から言えることです。個別の条件は物件ごとに異なるため、実際の見通しは専門業者にご相談ください。
- Q. この表を見た後、まず何を調べればよいですか
- A. 3点あります。1つは建築年と専有面積の確認で、これで自分の物件がどの区分・どの広さ帯に当たるかが分かります。2つ目は管理組合に関する情報で、管理費・修繕積立金の水準や大規模修繕の履歴と予定は評価に関わる要素です。3つ目は取得時の資料の有無で、相続や住み替えなど事情によって税金の取り扱いが変わる場合があるため、税理士等への確認をおすすめします。
※ 本記事の数字は、国土交通省「不動産情報ライブラリ」の取引価格情報を当サイトが条件で絞り込んで集計したものです。中央値は条件に当てはまる取引を価格順に並べたときの中央の値であり、個別の物件の価格でも、確定的な査定額でもありません。当サイトは宅地建物取引業を行いません。実際の売却の手続き・査定は提携する専門業者が行います。税制・法令の適用可否は個別事情により異なりますので、税務署・税理士・司法書士等の専門家にご確認ください。
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