中央区の中古マンション、建物構造で㎡単価が約1.5倍違う
公開日: 2026-08-20
「同じ中央区のマンションなのに、価格の話が人によってまるで違う」と感じたことはないでしょうか。中央区の中古マンションの成約データを建物構造で分けてみると、㎡単価の中央値でRCが200万円台、SRCが130万円台と、はっきりした差が出ています。この記事では、国土交通省が公開している実際の取引データ2,244件を建物構造という一つの軸で切り、それぞれの区分の件数・㎡単価・成約価格を並べて確認します。数字が何を示していて、何は示していないのかを整理したうえで、ご自身の物件がどのあたりに位置するかを掴み、次に何を調べればよいかまでを順に見ていきます。
データ:中央区の中古マンションを建物構造で見る
国土交通省「不動産情報ライブラリ」の不動産価格(取引価格情報)から、中央区の中古マンション等について2025年第1四半期〜2026年第1四半期の取引を抽出し、建物構造別に件数・㎡単価の中央値・成約価格の中央値を集計しました。件数が少なすぎる区分は除いています。
| 建物構造 | 取引件数 | ㎡単価の中央値 | 成約価格の中央値 |
|---|---|---|---|
| RC | 1,627 | 2,000,000円/㎡ | 12,000万円 |
| SRC | 687 | 1,333,333円/㎡ | 4,800万円 |
| 鉄骨造 | 33 | 1,571,429円/㎡ | 11,000万円 |
- ㎡単価の中央値は、RCが2,000,000円/㎡、鉄骨造が1,571,429円/㎡、SRCが1,313,846円/㎡の順です。最も高いRCと最も低いSRCの差は686,154円/㎡で、RCはSRCの約1.5倍。言い換えるとSRCはRCより約34%低い水準です。同じ中央区の中古マンションでも、構造の区分が変わるだけで単価の目安がこれだけ動きます。
- 成約価格の中央値はRCが12,000万円、鉄骨造が11,000万円、SRCが5,000万円で、RCはSRCの2.4倍です。㎡単価の差(約1.5倍)より価格の差(2.4倍)のほうが大きく開いています。価格は単価と面積の掛け算なので、この開きは単価だけでなく取引されている住戸の広さの違いも映していると読めます。
- 件数の内訳はRCが1,567件で全体の約70%、SRCが646件で約29%、鉄骨造が31件で約1%です。中央区の中古マンション取引の大半はRCとSRCで占められており、鉄骨造は31件と母数が小さいため、㎡単価1,571,429円/㎡という数字も少数の取引に左右されやすい点に注意が必要です。
- 成約価格の中央値を㎡単価の中央値で割ると、RCは約60、SRCは約38、鉄骨造は約70という値になります。これは面積そのものではなく別々の中央値どうしを割った目安にすぎませんが、構造区分ごとに取引されている住戸の広さの傾向が違う可能性を示しています。
※ 中央区の「中古マンション等」のうち、建物構造が記録されている取引2,347件の集計です。中央値は価格順に並べたときの中央の値で、平均とは違い極端な取引に引っ張られません。件数が25件未満の区分は、数字が安定しないため表に出していません。
対象期間: 2025年 第1四半期〜2026年 第1四半期/集計対象 2,347件。 中央値は、条件に当てはまる取引を価格順に並べたときのちょうど中央の値です。 個別の物件の価格ではなく、確定的な査定額でもありません。
出典: 国土交通省「不動産情報ライブラリ」不動産価格(取引価格情報)(当サイトが条件で絞り込み集計。加工方法は本文に明記)
RCとSRCで、㎡単価に約1.5倍の開きがある
まず用語を短く整理します。RCは鉄筋コンクリート造、SRCは鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄骨造は柱や梁に鉄骨を使う構造の呼び名です。中央値は価格順に並べたときの真ん中の値で、極端に高い取引や安い取引に引っ張られにくい指標です。
この軸で見ると、㎡単価の中央値はRCが2,000,000円/㎡、鉄骨造が1,571,429円/㎡、SRCが1,313,846円/㎡でした。RCとSRCの差は686,154円/㎡、比にするとRCはSRCの約1.5倍です。仮に同じ広さの住戸を比べたとすると、この単価差がそのまま価格差として効いてくることになります。
ただし、この差を「構造そのものの優劣」と読むのは早すぎます。建物構造は、建てられた時期や階数、立地する街区の性格などと結びついて記録されることが多く、集計上は構造の違いに見えても、実際には別の要因が混ざっている可能性があります。今回の表は構造という一つの軸だけで切ったものなので、そこから読めるのは「構造区分ごとに、実際の取引がどの水準に集まっていたか」までです。
成約価格の差は2.4倍、単価の差より大きく開いている
成約価格の中央値は、RCが12,000万円、鉄骨造が11,000万円、SRCが5,000万円でした。RCはSRCの2.4倍で、㎡単価の差(約1.5倍)よりも開きが大きくなっています。価格は「㎡単価×面積」で決まるため、単価の差だけでは説明しきれない部分は、取引されている住戸の広さの違いを映していると考えるのが自然です。
参考として、成約価格の中央値を㎡単価の中央値で割ると、RCは約60、SRCは約38、鉄骨造は約70という値が出ます。これは別々に求めた中央値どうしを割った計算なので、その区分の平均的な専有面積そのものではありません。あくまで「区分ごとに取引の中心にある住戸の広さが同じではなさそうだ」という手掛かりとして見てください。
売却を考えるときに実務上重要なのは、価格の総額よりも先に㎡単価を押さえることです。総額はご自身の住戸の広さに強く左右されるため、他の物件の総額と直接比べても位置が掴めません。まず㎡単価の水準を見て、そこにご自身の専有面積を掛けるという順番のほうが、ずれが小さくなります。
鉄骨造は31件、数字の重みが他の区分と違う
件数はRCが1,567件、SRCが646件、鉄骨造が31件で、合計2,244件です。構成比にするとRCが約70%、SRCが約29%を占め、鉄骨造は約1%にとどまります。中央区の中古マンション取引は、実質的にRCとSRCの二つで説明できる形になっています。
件数の差は、数字の読み方の差でもあります。1,567件のRCの中央値は多数の取引に支えられた値ですが、31件の鉄骨造の中央値は、数件の取引が入れ替わるだけで動きうる水準です。鉄骨造の㎡単価1,571,429円/㎡、成約価格11,000万円という値は「そういう取引もあった」という参考情報として扱い、そこを基準に自分の物件の価格を固めるのは避けたほうが無難です。
逆に言えば、ご自身の物件がRCかSRCであれば、今回の表はそれなりに厚みのある比較対象になります。まずは登記事項証明書やマンションの重要事項に関する調査報告書、分譲時のパンフレットなどで、ご自身の建物の構造がどう記載されているかを確認するところから始めてみてください。
自分の物件がどのあたりかを確かめる手順
手順はシンプルです。第一に、ご自身のマンションの建物構造がRC・SRC・鉄骨造のどれに当たるかを書類で確認します。第二に、登記上の専有面積を確認します。第三に、該当する構造区分の㎡単価の中央値に専有面積を掛けて、大まかな位置を出します。この三段階で、表のどのあたりに自分がいるのかという当たりがつきます。
ただし、そこで出た金額はあくまで「中央値から逆算した目安」であり、査定額でも売出価格でもありません。同じ構造・同じ広さでも、階数や向き、専有部分の使用状況、管理組合の状況、修繕積立金の積み立て具合、そして売り出す時期によって、実際の評価は上下します。今回の表は、そうした個別事情を全部含んだ取引の真ん中の値です。
目安と実際のずれがどこから来ているのかを詰めていく段階では、物件を直接見る立場の専門業者の判断が必要になります。当サイトは宅地建物取引業を行わず、査定や売却の実務は提携する専門業者が担います。相続・住み替え・離婚・空き家など、売却の背景によって進め方や税務上の取扱いが変わる場合もあるため、税金や登記に関わる論点は税理士・司法書士など専門家への確認をおすすめします。
よくある質問
- Q. うちはSRCですが、RCより安く売れるということですか。
- A. この表から言えるのは、集計期間中の中央区の中古マンションで、SRCの㎡単価の中央値(1,313,846円/㎡)がRCの中央値(2,000,000円/㎡)より低かったという事実までです。個別の住戸がどう評価されるかは、階数や向き、専有面積、管理や修繕の状況、売り出す時期などによって変わります。中央値はあくまで真ん中の値であり、その区分の中にも高い取引と低い取引の両方が含まれている点にご留意ください。
- Q. 建物構造はどこを見れば分かりますか。
- A. 登記事項証明書の建物の表示欄、分譲時のパンフレット、マンションの管理組合が保管する図書などに構造の記載があることが一般的です。表記が「鉄筋コンクリート造」「鉄骨鉄筋コンクリート造」といった形になっていることもあり、その場合は本記事のRC・SRCに対応します。書類が手元にない場合は、管理会社や、査定を依頼する専門業者に確認方法を相談するとよいでしょう。
- Q. 鉄骨造の成約価格が11,000万円と高めなのはなぜですか。
- A. 今回の集計では、鉄骨造の件数は31件で全体の約1%にとどまります。母数が小さいため、少数の取引が中央値を大きく動かしている可能性があります。またこの表は建物構造という一つの軸だけで切ったもので、立地や広さ、築年といった他の条件はそろえていません。そのため「鉄骨造だから高い」と読むのではなく、「該当した31件の真ん中がその水準だった」と受け止めるのが適切です。
- Q. この㎡単価に自分の面積を掛ければ、売れる価格が分かりますか。
- A. 位置を掴む目安にはなりますが、売却価格の予測ではありません。中央値はその区分の真ん中の値であり、実際の取引はその上下に広く分布します。また専有面積が同じでも、階数・向き・室内の状態・管理組合の状況などで評価は変わります。掛け算で出た金額はスタート地点の目安として使い、そこから先は物件を直接確認できる専門業者の査定で詰めていく流れが現実的です。
※ 本記事の数字は、国土交通省「不動産情報ライブラリ」の取引価格情報を当サイトが条件で絞り込んで集計したものです。中央値は条件に当てはまる取引を価格順に並べたときの中央の値であり、個別の物件の価格でも、確定的な査定額でもありません。当サイトは宅地建物取引業を行いません。実際の売却の手続き・査定は提携する専門業者が行います。税制・法令の適用可否は個別事情により異なりますので、税務署・税理士・司法書士等の専門家にご確認ください。
この記事に関連するご相談
ご自身の物件がいくらで取引されているかは、かんたん診断で確認できます(入力1分・個人情報の入力は不要です)。