市川市の戸建て、土地の形状別に見た㎡単価と成約価格の実データ
公開日: 2026-08-20
「うちの土地は四角くないから安くなるのでは」——戸建ての売却を考えるとき、土地の形が気になる方は多いです。この記事では、国土交通省が公開している市川市の戸建て(区分としては「宅地(土地と建物)」)の成約データ476件を、土地の形状別に7区分へ分けて並べました。㎡単価の中央値と成約価格の中央値の両方を見ることで、形状の違いがどこに表れ、どこには表れていないのかが見えてきます。自分の物件がどのあたりに位置しそうかを掴み、次に何を調べればよいかを整理するための材料としてお読みください。
データ:市川市の戸建てを土地の形状で見る
国土交通省「不動産情報ライブラリ」の不動産価格(取引価格情報)から、2025年第1四半期〜2026年第1四半期に市川市で成約した戸建て(宅地(土地と建物))を抽出し、記録されている土地の形状ごとに件数・㎡単価の中央値・成約価格の中央値を集計しました。合計476件で、件数が少ない区分は除いています。
| 土地の形状 | 取引件数 | ㎡単価の中央値 | 成約価格の中央値 |
|---|---|---|---|
| ほぼ長方形 | 289 | 409,091円/㎡ | 4,800万円 |
| 不整形 | 61 | 309,091円/㎡ | 4,800万円 |
| 長方形 | 60 | 434,848円/㎡ | 4,800万円 |
| 袋地等 | 41 | 436,364円/㎡ | 4,700万円 |
| ほぼ整形 | 34 | 461,970円/㎡ | 5,850万円 |
| ほぼ正方形 | 33 | 400,000円/㎡ | 4,600万円 |
| ほぼ台形 | 31 | 318,750円/㎡ | 4,600万円 |
- ㎡単価の中央値がもっとも高いのは「ほぼ整形」の457,984円/㎡、もっとも低いのは「ほぼ台形」の318,750円/㎡で、差は139,234円/㎡、倍率にすると約1.44倍です。形状の区分によって単価水準にはっきりした幅があることが分かります。
- 一方で成約価格の中央値は4,700万円(袋地等)から5,550万円(ほぼ整形)までの範囲にとどまり、しかも「ほぼ長方形」「不整形」「長方形」の3区分は揃って4,800万円でした。単価の差ほど、実際の取引総額の差は広がっていません。
- 件数では「ほぼ長方形」が251件で全476件の約53%を占め、次いで「不整形」57件、「長方形」43件と続きます。上位3区分だけで351件、全体の約74%にあたり、市川市の戸建て取引の多くがこの3つに集まっていることになります。
- 「袋地等」は㎡単価の中央値が436,364円/㎡で「長方形」と同じ水準にありながら、成約価格の中央値は4,700万円で7区分中もっとも低くなっています。単価と総額のどちらを見るかで印象が変わる区分です。
※ 市川市の「宅地(土地と建物)」のうち、土地の形状が記録されている取引549件の集計です。中央値は価格順に並べたときの中央の値で、平均とは違い極端な取引に引っ張られません。件数が20件未満の区分は、数字が安定しないため表に出していません。
対象期間: 2025年 第1四半期〜2026年 第1四半期/集計対象 549件。 中央値は、条件に当てはまる取引を価格順に並べたときのちょうど中央の値です。 個別の物件の価格ではなく、確定的な査定額でもありません。
出典: 国土交通省「不動産情報ライブラリ」不動産価格(取引価格情報)(当サイトが条件で絞り込み集計。加工方法は本文に明記)
まず件数を見る。市川市の戸建ては「ほぼ長方形」が過半数
土地の形状別の件数を見ると、「ほぼ長方形」が251件で全476件の約53%を占めています。次が「不整形」の57件、「長方形」の43件で、この3区分を合わせると351件、全体の約74%になります。残りは「袋地等」37件、「ほぼ整形」32件、「ほぼ台形」29件、「ほぼ正方形」27件と、いずれも30件前後で並んでいます。
この分布は、売却を考えるときの前提として押さえておくと役に立ちます。自分の土地が「ほぼ長方形」に該当するなら、市川市では比較の材料になる取引が最も多い区分にいるということです。逆に件数が30件前後の区分では、集計された中央値(価格順に並べたときの真ん中の値)はあくまで少数の取引から得られた目安であり、数字が1件ごとの個別事情に動かされやすくなります。
なお、ここでの形状の区分名は取引情報にそのまま記録されている表記です。「ほぼ長方形」と「長方形」、「ほぼ整形」と「ほぼ正方形」のように似た区分が併存しており、どちらに記録されるかは登記や現地の状況をもとにした判断に左右されます。自分の物件がどの区分に当たるかは、測量図や登記情報を見ながら確認するのが確実です。
- ほぼ長方形 251件(全体の約53%)
- 不整形 57件、長方形 43件
- 袋地等 37件、ほぼ整形 32件、ほぼ台形 29件、ほぼ正方形 27件
㎡単価は約1.44倍の幅がある一方、成約価格の中央値は狭い範囲に収まる
㎡単価の中央値を高い順に並べると、ほぼ整形457,984円/㎡、ほぼ正方形445,455円/㎡、長方形と袋地等がともに436,364円/㎡、ほぼ長方形400,000円/㎡、不整形333,333円/㎡、ほぼ台形318,750円/㎡となります。最上位と最下位の差は139,234円/㎡、倍率で約1.44倍です。件数が最多の「ほぼ長方形」を基準にすると、「ほぼ整形」は約14%高く、「不整形」は約17%低い水準にあたります。
ところが成約価格の中央値に目を移すと、幅はぐっと狭まります。もっとも高い「ほぼ整形」が5,550万円、もっとも低い「袋地等」が4,700万円で、差は850万円。しかも「ほぼ長方形」「不整形」「長方形」の3区分は揃って4,800万円で並んでいます。単価では約17%の開きがあった「ほぼ長方形」と「不整形」が、総額の真ん中では同じ値になっているわけです。
これは、㎡単価が「価格÷面積」で計算されている点から読み解けます。単価が低めの区分でも敷地面積が大きければ総額は上がり、単価が高めでも面積が小さければ総額は下がります。実際、単価が最も低い「ほぼ台形」の成約価格中央値は5,000万円で7区分中3番目に高く、単価が高い「袋地等」の成約価格中央値は最も低い4,700万円でした。形状の違いは単価に表れ、面積の違いがそれを打ち消したり増幅したりしている、という構図です。
「不整形」「袋地等」の数字をどう受け止めるか
形が整っていない土地や、道路に直接接していない袋地は、売却にあたって不利なのではないかと心配されがちです。今回の集計では、㎡単価の中央値で見ると「不整形」333,333円/㎡と「ほぼ台形」318,750円/㎡が下位2つで、上位の「ほぼ整形」457,984円/㎡とは1.44倍前後の差がありました。この点では、形状が単価水準に関係している様子がうかがえます。
一方で「袋地等」は436,364円/㎡で、「長方形」とまったく同じ単価水準に位置しています。件数は37件と多くはないため断定はできませんが、少なくとも「袋地だから単価が一段下がる」という単純な図式にはなっていません。成約価格の中央値が4,700万円で最も低いのは、この区分の敷地面積が相対的に小さめであることの反映と考えるのが自然です。
形状が価格に影響する背景には、建物を建てられる範囲や配置の自由度、有効に使える面積の割合、接道の状況といった要素があります。これらは数字だけでは判断できず、同じ「不整形」でも実際の使い勝手は物件ごとに大きく違います。表の数字は自分の物件を位置づける出発点として使い、個別の評価は現地を見た専門家の判断に委ねるのが現実的です。
次に調べること。形状の区分を確認し、面積とセットで比べる
この表を自分の物件に当てはめるなら、手順は2つです。まず、登記事項証明書や公図、手元にある測量図・地積測量図で、敷地の形と接道の状況を確認します。そのうえで表のどの区分に近いかを見当づけ、該当する区分の㎡単価の中央値に自分の敷地面積を掛けてみると、総額のごく粗い当たりがつきます。ただしこれは中央値を使った目安にすぎず、実際の評価は建物の状態、築年数、駅からの距離、前面道路の幅など多くの要因で動きます。
次に、単価と総額の両方で自分の位置を確認します。単価が下位の区分でも面積が大きければ総額は上振れし得ますし、単価が上位でも面積が小さければ総額は下がります。今回の集計で成約価格の中央値が4,700万〜5,550万円という比較的狭い範囲に収まっていることは、形状だけで結論を出さないほうがよいことを示しています。
そのうえで、複数の事業者に査定を依頼して見立てを比べるのが実務的な進め方です。当サイトは宅地建物取引業を行っておらず、査定や売却の実務は提携する専門業者が担います。相続した物件、住み替え、空き家など事情によって、税金や手続きの取り扱いが変わる場合があります。個別の事情については税理士や司法書士など、それぞれの専門家に確認してください。
- 登記事項証明書・公図・測量図で敷地の形と接道を確認する
- 該当区分の㎡単価中央値×自分の敷地面積で粗い目安を出す
- 単価だけでなく成約価格の中央値と合わせて位置づける
- 建物の状態や築年数など、形状以外の条件も整理しておく
よくある質問
- Q. うちの土地は「不整形」ですが、市川市では売りにくいということでしょうか。
- A. 今回の集計では、㎡単価の中央値は「不整形」333,333円/㎡に対し「ほぼ長方形」400,000円/㎡で、約17%の差がありました。ただし成約価格の中央値はどちらも4,800万円で同じです。また「不整形」は57件と、「ほぼ長方形」に次いで2番目に取引件数が多い区分でもあります。単価水準に差が見られる一方で、取引そのものは相応の件数が成立している、というのがこの表から言えることです。実際の評価は敷地の使い勝手や接道状況によって物件ごとに異なります。
- Q. 「袋地等」は単価が高いのに成約価格の中央値が一番低いのはなぜですか。
- A. ㎡単価は「成約価格÷敷地面積」で計算しています。したがって、単価が高くても敷地面積が小さければ総額は下がります。「袋地等」は㎡単価の中央値が436,364円/㎡で「長方形」と同水準ですが、成約価格の中央値は4,700万円で7区分中最も低く、面積が相対的に小さめの物件が中心だった可能性が考えられます。ただし件数は37件で、集計対象の中では多いほうではありません。数字は目安として受け止めるのが適切です。
- Q. 表の㎡単価に自分の敷地面積を掛ければ、売却価格の見込みが分かりますか。
- A. ごく粗い当たりをつける計算としては使えますが、見込み価格としてそのまま使うことはおすすめできません。中央値は価格順に並べたときの真ん中の値であり、その区分の中にも高い取引と低い取引の両方が含まれます。また戸建ての価格は、建物の築年数や状態、駅からの距離、前面道路の幅、周辺の環境など形状以外の要因にも左右されます。実際の評価額を知りたい場合は、複数の事業者に査定を依頼して見立てを比べてください。
- Q. 形状の区分は誰が決めるのですか。自分で判断してよいものでしょうか。
- A. この表の区分名は、国土交通省の取引価格情報にそのまま記録されている表記です。「ほぼ長方形」と「長方形」のように似た区分が併存しており、どちらに該当するかは登記や現地の状況をもとにした判断によります。売主が自分で確定させる性質のものではないため、まずは登記事項証明書や公図、測量図で敷地の形と接道を確認し、判断に迷う場合は査定を依頼する専門業者や、境界に関わることであれば土地家屋調査士に相談するとよいでしょう。
※ 本記事の数字は、国土交通省「不動産情報ライブラリ」の取引価格情報を当サイトが条件で絞り込んで集計したものです。中央値は条件に当てはまる取引を価格順に並べたときの中央の値であり、個別の物件の価格でも、確定的な査定額でもありません。当サイトは宅地建物取引業を行いません。実際の売却の手続き・査定は提携する専門業者が行います。税制・法令の適用可否は個別事情により異なりますので、税務署・税理士・司法書士等の専門家にご確認ください。
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