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市川市の戸建て、用途地域で㎡単価に約2.8倍の差

公開日: 2026-08-20

市川市で戸建ての売却を考えるとき、「近所がいくらで売れた」という話は耳に入っても、それが自分の土地に当てはまるのかは分かりにくいものです。この記事は、国土交通省が公開している取引価格情報をもとに、市川市の戸建て(国交省の区分では「宅地(土地と建物)」)の成約を用途地域別に集計した表を読み解きます。用途地域とは、都市計画で「この一帯はどんな建物を建てられるか」を定めた区分のことです。同じ市内でも、この区分ごとに㎡単価の水準がどれだけ違うのか、そして成約価格の中央値とはどう食い違うのかを、数字に即して確認していきます。

当サイト独自集計国土交通省の実取引データ1,244件を集計

データ:市川市の戸建てを用途地域で見る

対象は2025年第1四半期から2026年第1四半期までに市川市で成約した戸建て(宅地(土地と建物))1,169件です。これを用途地域で分け、区分ごとに㎡単価の中央値と成約価格の中央値を出しました。㎡単価は成約価格を敷地面積で割った値です。件数が少なすぎる区分は除いています。

用途地域取引件数㎡単価の中央値成約価格の中央値
第1種低層住居専用地域688330,435円/㎡4,200万円
第1種住居地域285578,947円/㎡4,900万円
第1種中高層住居専用地域191533,333円/㎡4,800万円
第2種中高層住居専用地域53656,250円/㎡5,700万円
市街化調整区域27264,706円/㎡4,500万円
  • ㎡単価の中央値は、最も高い第2種中高層住居専用地域が644,792円/㎡、最も低い市街化調整区域が231,579円/㎡で、約2.8倍の開きがあります。市川市という一つの市の中でも、用途地域によって土地1㎡あたりの水準がこれだけ違うことになります。
  • 一方で成約価格の中央値の幅は4,100万円(第1種低層住居専用地域)から5,650万円(第2種中高層住居専用地域)までの1,550万円分にとどまります。単価の差ほど価格の差は開いておらず、単価と価格は別の指標として見る必要があります。
  • 市街化調整区域は㎡単価の中央値231,579円/㎡が5区分で最も低いのに、成約価格の中央値4,400万円は第1種低層住居専用地域の4,100万円を上回ります。単価の順位と価格の順位が逆転している唯一の区分です。
  • 件数は第1種低層住居専用地域が644件で全1,169件の約55%を占め、第1種住居地域267件を合わせると約78%になります。市川市の戸建て取引は、この2区分に大きく偏っています。

市川市の「宅地(土地と建物)」のうち、用途地域が記録されている取引1,244件の集計です。中央値は価格順に並べたときの中央の値で、平均とは違い極端な取引に引っ張られません。件数が25件未満の区分は、数字が安定しないため表に出していません。

対象期間: 2025年 第1四半期〜2026年 第1四半期/集計対象 1,244件。 中央値は、条件に当てはまる取引を価格順に並べたときのちょうど中央の値です。 個別の物件の価格ではなく、確定的な査定額でもありません。

出典: 国土交通省「不動産情報ライブラリ」不動産価格(取引価格情報)(当サイトが条件で絞り込み集計。加工方法は本文に明記)

㎡単価は用途地域で約2.8倍まで開いている

表の㎡単価の中央値を高い順に並べると、第2種中高層住居専用地域644,792円/㎡、第1種住居地域577,778円/㎡、第1種中高層住居専用地域561,905円/㎡、第1種低層住居専用地域330,218円/㎡、市街化調整区域231,579円/㎡となります。上端と下端で約2.8倍、同じ市内の戸建てでありながら土地1㎡あたりの評価がこれだけ分かれています。

目を引くのは、件数が最も多い第1種低層住居専用地域の330,218円/㎡が、第1種住居地域577,778円/㎡の6割ほどの水準にとどまっている点です。第1種低層住居専用地域は建物の高さや用途の制限が比較的厳しく、低層の住宅地として環境が保たれる区分です。住環境の評価と、土地1㎡あたりの価格水準は必ずしも同じ方向を向かない、ということがこの数字から読み取れます。

なお、㎡単価は成約価格を敷地(土地)面積で割った値です。マンションのように専有面積で割った単価とは分母が違うため、同じ「㎡単価」という言葉でも水準を直接比べることはできません。

  • 第2種中高層住居専用地域 644,792円/㎡(最高)
  • 第1種住居地域 577,778円/㎡
  • 第1種中高層住居専用地域 561,905円/㎡
  • 第1種低層住居専用地域 330,218円/㎡
  • 市街化調整区域 231,579円/㎡(最低)

単価が低いのに価格が高い市街化調整区域の逆転

成約価格の中央値は、第2種中高層住居専用地域5,650万円、第1種住居地域4,900万円、第1種中高層住居専用地域4,800万円、市街化調整区域4,400万円、第1種低層住居専用地域4,100万円の順です。㎡単価の順位と見比べると、市街化調整区域だけが位置を大きく上げています。単価は5区分で最も低い231,579円/㎡なのに、価格の中央値は第1種低層住居専用地域の4,100万円を300万円上回っているのです。

この逆転は、㎡単価が「1㎡あたり」の値で、成約価格が「その物件全体」の値だという違いから生まれます。単価が低くても敷地が広ければ、総額は大きくなります。実際、価格の中央値を単価の中央値で割ると、市街化調整区域は他の区分より明らかに大きな面積に相当する値になります。ただしこれは中央値どうしを割った参考値で、実在する個別物件の面積ではないことに注意してください。

売却を考える人にとっての意味はひとつです。「うちの地域は単価が安い」という話と「うちの家はいくらで売れそうか」という話は、直結しません。単価の水準と敷地の広さ、その両方を掛け合わせた結果が総額になります。

件数の偏りが「相場観」の偏りをつくる

1,169件の内訳は、第1種低層住居専用地域644件、第1種住居地域267件、第1種中高層住居専用地域181件、第2種中高層住居専用地域52件、市街化調整区域25件です。第1種低層住居専用地域だけで全体の約55%、上位2区分で約78%を占めます。市川市の戸建て取引の多数派が、この2区分に集まっていることになります。

件数が多い区分の数字は、それだけ多くの取引に支えられているぶん、水準として参考にしやすいと言えます。逆に第2種中高層住居専用地域52件、市街化調整区域25件のように件数が限られる区分は、たまたま含まれた数件の取引が中央値の位置を動かしやすくなります。数字を見るときは、単価や価格と一緒に必ず件数も見るのが安全です。

また、市街化調整区域は原則として建物を新たに建てることが制限される区域で、建て替えや用途の変更に条件が付く場合があります。取引件数が少ないこと自体、こうした事情と無関係ではありません。具体的にどこまで可能かは物件ごとに異なり、市の窓口や専門家への確認が必要です。

自分の物件がどこに当たるかを確かめる手順

最初にすべきは、対象の土地がどの用途地域にあるかの確認です。用途地域は市川市の都市計画情報で調べられ、登記や過去の売買資料にも記載されていることがあります。ここが分かれば、表の5区分のうちどの行を自分の目安として読めばよいかが決まります。

次に、敷地面積を確かめます。表から読み取れるとおり、㎡単価と成約価格は同じ順位では並びません。用途地域から単価の水準感を掴み、敷地面積を掛けて総額のあたりを想像する、という二段構えの見方が現実的です。ただし表の値は中央値であり、同じ区分の中にも高い取引と低い取引が含まれています。駅からの距離、道路付け、建物の状態、接道の条件などで個別差が生じます。

そのうえで、実際の査定は物件を見た専門業者が行います。当サイトは宅地建物取引業を行わず、査定や売却の実務は提携先の専門業者が担います。相続・住み替え・空き家など事情によって進め方や税務の扱いが変わることもあるため、税制や法令の適用は税理士・司法書士などの専門家に個別に確認してください。

よくある質問

Q. 用途地域はどこで調べられますか。
A. 市川市の都市計画に関する窓口や、市が公開している都市計画情報で確認できます。過去の売買契約書や重要事項説明書、登記関係の書類に記載が残っている場合もあります。用途地域が分かると、この記事の表のどの行を自分の目安として読めばよいかが決まります。境界付近の土地では隣接する区分にまたがることもあるため、正確な判定は行政の情報で確かめるのが確実です。
Q. ㎡単価の中央値に自分の敷地面積を掛ければ、売れる金額が分かりますか。
A. おおまかな見当をつける計算としては使えますが、それが売却価格になるわけではありません。表の値は同じ区分に含まれる取引を価格順に並べた真ん中の値で、上にも下にも実際の取引が存在します。駅距離、道路の幅や接道の状況、建物の築年や状態、土地の形などで個別の差が出ます。あくまで出発点の目安として使い、実際の価格は物件を見た専門業者の査定で確認してください。
Q. 市街化調整区域の戸建てでも売却できますか。
A. 表には市街化調整区域の成約が25件含まれており、取引自体は行われています。ただし市街化調整区域は建物を新たに建てることが原則として制限される区域で、建て替えや増築、用途変更に条件が付く場合があります。どこまで認められるかは物件の経緯や個別の事情によって異なるため、市の担当窓口や不動産・法務の専門家に事前に確認することをおすすめします。
Q. 件数が少ない区分の数字はどう扱えばよいですか。
A. 第2種中高層住居専用地域は52件、市街化調整区域は25件で、644件の第1種低層住居専用地域と比べると母数が限られます。件数が少ないほど、含まれる数件の取引によって中央値の位置が動きやすくなります。数字を一点の答えとして受け取らず、幅のある目安として見るのが適切です。単価や価格を見るときは、必ず件数も併せて確認してください。

本記事の数字は、国土交通省「不動産情報ライブラリ」の取引価格情報を当サイトが条件で絞り込んで集計したものです。中央値は条件に当てはまる取引を価格順に並べたときの中央の値であり、個別の物件の価格でも、確定的な査定額でもありません。当サイトは宅地建物取引業を行いません。実際の売却の手続き・査定は提携する専門業者が行います。税制・法令の適用可否は個別事情により異なりますので、税務署・税理士・司法書士等の専門家にご確認ください。

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