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築40年の家は、実際いくらで売れているのか

公開日: 2026-08-19

相続した実家、長く住んだ持ち家、空き家のまま置いている家。築年数が古い不動産を前にして「もう値段はつかないのでは」と考える方は多いです。ここでは推測ではなく、実際に成立した取引のデータで確かめます。東京都・愛知県で成約した戸建て・マンション88,091件を、建築年ごとに当サイトで集計しました。

当サイト独自集計国土交通省の実取引データ96,014件を集計

データ:築年数で㎡単価はどう下がるか(戸建てとマンションの比較)

国土交通省が公表している実際の成約価格を、建築年の帯ごと・種別ごとに集計しました。数字は㎡単価の中央値です(価格順に並べたときのちょうど真ん中の値)。

1980年以前に建った物件の㎡単価は、2016年以降の物件と比べて戸建て −50% / マンション −55%

建築年取引件数戸建ての㎡単価(中央値)マンションの㎡単価(中央値)
1980年以前11,814220,833円/㎡マンション 560,000円/㎡
1981〜1995年17,192233,333円/㎡マンション 542,857円/㎡
1996〜2005年18,812326,667円/㎡マンション 907,692円/㎡
2006〜2015年17,706400,000円/㎡マンション 1,100,000円/㎡
2016年以降30,490445,455円/㎡マンション 1,257,143円/㎡
  • 築年が古いほど単価は下がりますが、1980年以前に建った物件でも1年余りで1万件以上の取引が成立しています。「売れない」のではなく、価格帯と買い手の層が新しい物件とは違うということです。
  • 戸建てとマンションで水準が大きく違うのは、面積の数え方が違うためです。戸建ての㎡単価は敷地(土地)面積で割っており、マンションは専有部分の面積で割っています。比べるべきは水準ではなく「下がり方」です。
  • その下がり方は戸建て−53%、マンション−56%とほぼ同じでした。よく「マンションのほうが価値が落ちにくい」と言われますが、少なくともこの期間・この地域のデータでは、築40年超まで見ると差はほとんどありません。

東京都・愛知県の成約。件数欄は戸建てとマンションの合計です。マンションの㎡単価が戸建てより高いのは、建物だけの面積で割っているため(戸建ては敷地を含む土地代が価格の大半を占めます)。比べるべきは水準ではなく、築年による下がり方です。

対象期間: 2025年 第1四半期〜2026年 第1四半期/集計対象 96,014件。 中央値は、条件に当てはまる取引を価格順に並べたときのちょうど中央の値です。 個別の物件の価格ではなく、確定的な査定額でもありません。

出典: 国土交通省「不動産情報ライブラリ」不動産価格(取引価格情報)(当サイトが条件で絞り込み集計。加工方法は本文に明記)

古い家の価格は、建物ではなく土地で決まる

戸建ての建物部分は、木造であれば税務上の法定耐用年数が22年です。これは税金を計算するための年数で、実際に住めなくなる年数ではありませんが、市場価格の目安としても使われます。築22年を大きく超えた戸建ては、査定の実務では建物の価値をほぼゼロとして扱い、土地の価格から解体費用相当を差し引く形で値付けされることが少なくありません。

つまり築40年の戸建ての価格は、ほぼ「その土地がいくらか」で決まります。上のデータで築古の帯でも取引が成立しているのは、土地としての価値が残っているからです。逆に言えば、土地の価値が低い地域では、解体費を差し引くと手残りがわずかになることもあります。

この構造を理解しておくと、「リフォームしてから売るべきか」という問いに答えが出ます。建物の価値がほぼ評価されない築年数であれば、リフォーム費用は売却価格にそのまま乗りません。数百万円かけて水回りを新しくしても、売却価格が同額上がる保証はないということです。

マンションは「築年」より「管理」で差がつく

マンションの場合、建物の寿命は鉄筋コンクリート造で法定耐用年数47年とされますが、実際の建て替え時期は管理の質に大きく左右されます。修繕積立金が計画的に積まれ、大規模修繕が予定どおり実施されてきた物件と、積立金が不足して修繕が先送りされてきた物件では、同じ築年でも評価が変わります。

購入検討者が見るのは、重要事項調査報告書に記載される修繕積立金の総額、滞納の有無、長期修繕計画の内容です。売る側としては、これらが良好であれば築年の不利をある程度打ち返せます。逆に積立金が著しく不足している場合、買主の住宅ローン審査で不利になることもあります。

  • 修繕積立金の残高と、1戸あたりの月額(相場より極端に安い場合は将来の値上げが濃厚)
  • 大規模修繕の実施履歴と次回予定(12〜15年周期が一般的)
  • 管理費・修繕積立金の滞納状況(管理組合全体での滞納率)
  • 管理形態(全部委託・一部委託・自主管理)と管理会社

1981年6月がひとつの境目になる

建築確認が1981年6月1日以降のものは、いわゆる新耐震基準が適用されています。それ以前の旧耐震基準の建物は、耐震性の評価が下がるだけでなく、買主が住宅ローン控除を使えないことがあります(築年数の要件ではなく、耐震基準適合証明などの書類が必要になるため)。上のデータで1980年以前の帯が明確に下がっているのは、この境目の影響も含んでいます。

実務上の対応は3つです。耐震診断を受けて必要なら補強し、耐震基準適合証明を取得して売る。現況のまま、その分を価格に反映して売る。あるいは解体して土地として売る。どれが有利かは、補強費用の見積りと土地の価値によって変わります。先に解体を決めてしまわず、現況査定と解体後の査定を比べてから判断するのが安全です。

出典: 建築基準法施行令(1981年6月1日施行の新耐震基準)

築年数を理由に売却をためらう必要はない

データが示しているのは、築古物件が「売れない」のではなく「価格帯が違う」という事実です。1980年以前の物件にも1万件を超える成約があり、そこには必ず買い手がいます。多くは、土地として使う人、リフォーム前提で安く買う人、収益物件として運用する人です。

むしろ判断を誤らせるのは、築年数そのものではなく「持ち続けるコスト」を計算に入れないことです。固定資産税、火災保険、遠方であれば見回りの交通費、空き家であれば管理不全のリスク。これらは毎年確実に出ていきます。売却価格の多寡だけでなく、持ち続けた場合の年間支出と比べて判断すると、答えははっきりします。

よくある質問

Q. 築何年を過ぎると建物の価値はゼロになりますか。
A. 木造戸建ての場合、査定実務では築20〜25年を目安に建物価値をほぼゼロとして扱うことが多いです。ただしこれは慣行であり、リフォーム履歴や状態によって評価されることもあります。鉄筋コンクリート造のマンションでは、築年よりも管理状態の影響が大きくなります。
Q. 売る前にリフォームしたほうが高く売れますか。
A. 築年数が古く建物価値がほぼ評価されない場合、リフォーム費用がそのまま価格に乗ることは期待しにくいです。一方、清掃・残置物の撤去・水回りの部分補修など、費用の小さい範囲での見栄えの改善は、内見の印象を通じて成約までの期間に影響します。大規模な工事の前に、現況のままの査定額を確認することをおすすめします。
Q. 旧耐震のマンションは売れませんか。
A. 売れないということはありません。ただし買主が住宅ローン控除などの適用を受ける際に追加の書類が必要になる場合があり、購入検討者の層が狭くなります。管理状態が良好であること、耐震診断や補強の実施状況が明確であることが、評価を左右します。

本記事の数字は、国土交通省「不動産情報ライブラリ」の取引価格情報を当サイトが条件で絞り込んで集計したものです。中央値は条件に当てはまる取引を価格順に並べたときの中央の値であり、個別の物件の価格でも、確定的な査定額でもありません。税制・耐震基準の適用可否は個別事情により異なります。実際の判断は、税務署・税理士・建築士等の専門家にご確認ください。

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